KM流エッジIoTで強みとするのは、画像/光学分野のコア技術を用いた現場でリアルタイム処理と課題解決になる。その一方で、コニカミノルタの強みを生かせないようであれば、エッジIoTにはこだわらず、マイクロソフトやシスコシステムズ、HPE、SAPなどのグローバルパートナーのクラウドやAI(人工知能)を活用する。
山名氏は「特に中小/中堅企業に向けて、バーティカルにB2BのエッジIoTプラットフォームを提供できるようにしていく。グローバルパートナーの大手企業は、これらの中小/中堅企業にアクセスしたいと考えており、当社もコア技術を生かせない分野では彼らの力を借りたいのでWin-Winだ。そのためにも、KM流エッジIoTの強みを生かした事業体制を、SHINKA 2019の3年間で何が何でも形にする。そうしなければ、有力なクラウドやAIを持つグローバルパートナーの大手企業の下請けにしかならないだろう」と強調する。
またKM流エッジIoTでは、従来の製品分野別のような縦割りの事業体制と一線を画していく。ワークプレイスハブを中核に、各国・地域の販社が、さまざまな業種・業態に展開する「Go To Market体制の構築」を進める。その体制を強化するため、BICと同様に世界5極にIoTビジネスセンターを開設し、各国・地域の現場の需要に対応した開発を行えるようにしていくという。
基盤事業の収益力強化では、3カ年で300億円のコスト改善を目指す。マレーシア工場で取り組みを進めているデジタルマニュファクチャリングの成果出しと横展開で160億円、KM流エッジIoTのノウハウを活用した故障予知やリモートサービスなどで60億円、管理間接機能の簡素化で80億円という構成になっている。また、業績数字に大きな影響を与えているユーロ感応度についても「ユーロ−円の為替で1円円高に傾くと12億円悪化しているのが現状。これを、ユーロでの調達を増やすなどして、3カ年で影響を半減させたい」(山名氏)という。
前中計のTRANSFORM 2016から、新中計のSHINKA 2019にかけて、成長事業と新規事業は投資モードが続く。しかし、SHINKA 2019の最終年度の2019年度には、収益を稼ぎ出す段階に入るとしている。そして2021年度には、利益の半分を成長事業と新規事業で占めることを想定している。
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