アウディジャパンはコンパクトSUVの新型車「Q2」を発表した。アウディのラインアップで最も小さいサイズのSUVとなる。従来のアウディユーザーよりも若い年齢層を取り込むため、新しいデザインコンセプトを採用した。
アウディジャパンは2017年4月26日、東京都内で会見を開き、コンパクトSUVの新型車「Q2」を発表した。アウディのラインアップで最も小さいサイズのSUVとなる。従来のアウディユーザーよりも若い年齢層を取り込むため、新しいデザインコンセプトを採用した。
発売は2017年6月中旬で、税込みの車両本体価格は299万円から。2500台の販売を見込んでいる。
Q2は、コンパクトSUV「Q3」よりも一回り小さい。想定するユーザーは30〜40代の独身やカップル、小さい子供のいる家族だ。Q3の外形寸法が全長4385×全幅1830×全高1615mmなのに対し、Q2は全長4200×全幅1795×全高1530mmとなる。Q3と同等のヘッドクリアランスを確保した。
Q2に搭載するのはいずれもガソリンターボエンジンで、排気量1.0l(リットル)の直列3気筒、もしくは同1.4lの直列4気筒から選択できる。販売の中心は排気量1.0lのグレードになると見込んでいる。Q3に搭載するガソリンターボエンジンは排気量が1.4lもしくは2.0lなので、Q2とは排気量でも差をつけている。
Q2が属するコンパクトSUVの市場は人気が高く、新型車が続々と投入されている。アウディジャパンはQ3とQ2をそろえることで、若い年齢層を含めて幅広いユーザーを取り込む。「コンパクトSUVのラインアップが増えたことに加えて、A3はセダンが選べるし、A1のようなハッチバックもある。若者に向けた車種がそろった」(アウディジャパン 代表取締役社長の斎藤徹氏)。
従来のユーザーよりも若い年齢層に強くアピールするためのモデルと位置付けており、外観デザインはあえて従来モデルとは違う路線をとった。「品行方正な兄たち(A4など上位モデル)がいるからこそ、意図的に型を破った弟分」(斎藤氏)だという。
会見では、外観デザインを担当したマティアス・フィンク氏が新しいデザインコンセプト「ポリゴン(多角形)」について説明した。
初めは「Q3のデザインスケッチの中で、なるべくボディーが小さく見えるものはないか」という同僚の相談から始まった。その後、河原にある角の立ったゴツゴツした小石からポリゴンの着想を得た。こうした流れから、小さく見せるトリックと、低くワイドにがっちりと見せるトリックの両方が取り入れられている。
アウディの従来モデルのショルダーラインは、水平にボディーを横切っていた。これをベースに「(クレイモデルから)ナイフで削り取って、幾何学的なポリゴンを生みだした。これにより室内がショルダーとホイールの間に押し付けられて低くコンパクトに安定して収まっているように見せる効果が生まれた。フェンダーを強調する効果もある」(フィンク氏)。
Cピラーにはボディーカラーとは別色のグレーのパネルがアクセントとして配置されている。これにより、居住空間を低くワイドに見せる。リアクオータービューも、ショルダーが高く、室内が低くギュッと押し付けられたように見せている。リアランプを外側に付けることで、アメリカンフットボールのプロテクションパネルのようにがっちり見せている。ルーフのスポイラーは長く張り出させることで、リアガラスをワイドに見せるようにしたという。
ボンネットは、アウディではスポーティーに長く見せる演出が取り入れられてきたが、ワイドに短く、正方形に見せるラインを入れた。
「AモデルとQモデルのフロントグリルの違いが分かりにくい」という声に応えて、フロントグリルのデザインも刷新した。この8角形のフロントグリルはQ2から採用がスタートした。フロントグリルにもポリゴンが用いられている。
フィンク氏は現在35歳で、Q2の企画がスタートした2012年には30歳だった。「自分の世代に向けたクルマだと思ってデザインした。都会に住み、先進的なライフスタイルで個性を重要視する人々がターゲット層だ。彼らは趣味やレジャー、ビジネスを1台のクルマでこなせることを求める。ライフスタイルを自由に表現することも重視する。アウディとしては異質な、エッジを立たせたデザインはこうしたユーザー像に完璧にマッチすると判断した」(フィンク氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.