VWとアウディがEVコンセプト初公開、中国は「EVで世界をリードする市場」上海モーターショー 2017(1/2 ページ)

Volkswagen(VW)とAudi(アウディ)は、「上海モーターショー2017」において、電気自動車(EV)のコンセプトモデルを初公開した。アウディは今回披露したEVクーペを2019年から量産する。VWは2020年から複数車種のEVを生産する計画だ。

» 2017年04月20日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 Volkswagen(VW)とAudi(アウディ)は、「上海モーターショー2017(第17回上海国際自動車工業展覧会)」(プレスデー:4月19〜20日、一般公開日:4月21〜28日)において、電気自動車(EV)のコンセプトモデルを初公開した。

 VWは「ティグアン オールスペース」に匹敵する室内空間のSUVを、アウディは「A7」相当のサイズとなるクーペを発表。「インフラ整備や行政の補助を含めて、中国は電気自動車に関して世界をリードする市場」(アウディ セールス&マーケティング担当取締役のディエトマー・フォッゲンライター氏)と見込んでいる。

 アウディは今回披露したEVクーペを2019年から量産する。VWは2020年から複数車種のEVを生産する計画だ。

VWのSUVタイプのEV「I.D. CROZZ」(左)。アウディの「e-tron Sportback concept」はクーペタイプ(右)(クリックして拡大) 出典:VW、アウディ

VWはSUVで3車種目のEV

 VWが披露したコンセプトモデルの名称は「I.D. CROZZ」。「ゴルフ」と同等サイズの「I.D.」や、マイクロバス「I.D. BUZZ」に続くEVラインアップの一員となる。I.D.は2016年のパリモーターショーで、I.D. BUZZは2017年のデトロイトモーターショーで発表している。VWは2025年までにEVの年間販売台数を100万台に引き上げる計画だ。SUVのI.D. CROZZはその目標に向けて重要な役割を果たすと位置付けている。生産は2020年から開始する。

「I.D.」(左)と「I.D. BUZZ」(右)(クリックして拡大) 出典:VW

 I.D. CROZZは四輪駆動で、最大出力は225kWとなる。最高速度は時速180km、走行距離はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)で500kmとしている。急速充電を利用すれば30分で80%まで充電できる。

モジュール化戦略「MEB」によるEV専用のプラットフォーム モジュール化戦略「MEB」によるEV専用のプラットフォーム(クリックして拡大) 出典:VW

 車両の設計は、I.D.シリーズで共通となるEV専用のモジュール化戦略「MEB」(Modularer Elektrifizierungsbaukasten)に基づいている。MEBでは駆動用バッテリーは車体のフロア下部に配置。前後のアクスルと駆動関連のモジュールは、通常のパワートレインよりも離れて配置するため、長いホイールベースを実現する。これにより、居住空間と荷室を広く確保できる。外形寸法はティグアン オールスペースよりも少し小さく、ルーフラインも低くなるが、室内スペースは同等だ。荷室の容量は515l(リットル)。

 デザインの特徴となるのは、EVであることを示すシグネチャーライトと、自動運転中に他のクルマや歩行者とコミュニケーションするための目のようなヘッドランプだ。I.D. CROZZは完全自動運転に対応しており、完全自動運転モードに切り替えるとステアリングが収納される。VWとしては完全自動運転を2025年に実現する目標だ。

EV専用のプラットフォームを生かして居住空間を広く確保した(クリックして拡大) 出典:VW
「I.D. CROZZ」の外観デザイン(クリックして拡大) 出典:VW
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