構造計画研究所は、SOLIDWORKSアドインの粉体/混相流シミュレーションソフトウェア「iGRAF」を発売した。超高性能コンピュータを必要とするような三相流シミュレーションや複雑な粉体シミュレーションが容易に実施できる。
構造計画研究所は2017年4月12日、SOLIDWORKSアドインの粉体/混相流シミュレーションソフトウェア「iGRAF(Integrated Granular Flow Simulation Software:アイグラフ)」を発売した。
iGRAFは、粉体や粉体が含まれる混相流(固体/気体/液体など、複数の物質の相が混ざりあった流れ)を模擬できるSOLIDWORKSアドインのシミュレーションソフトウェア。東京大学大学院の酒井幹夫准教授が提案する最新アルゴリズムを基に、構造計画研究所が独自に開発した。
SOLIDWORKSをプラットフォームとしているため、解析条件の設定がシンプルになっている。専門知識や粉体シミュレーションの経験がない設計者でも、使い慣れたSOLIDWORKS上で、複雑な形状を持つ装置の粉体シミュレーションや超高性能コンピュータでなければ再現できなかった固体/液体/気体の三相流シミュレーションが容易に実施できる。
また、独自のアルゴリズム「符号付距離関数(Signed Distance Function)」の採用により、メッシュの設定をしなくても粉体に対する壁面モデリングといった複雑な部品形状を認識できる。「埋め込み境界法(Immersed Boundary Method)」は、流体メッシュの設定が不要で、流体中での部品の並進移動/回転移動/振動、またはこれらを組み合わせたシミュレーションを可能にする。
さらに、小さな粉を大きな粉で置き換えるDEM粗視化モデルや、粉体/流体のマルチコア並列計算技術を搭載しており、1台のワークステーションで実機と同様のスケールモデルでのシミュレーションができる。
2017年夏以降に、対応言語を3カ国語(日/英/中)に拡大し、同ソフトをグローバルに展開する予定だ。
この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。