国土交通省は乗用車の燃費ランキングベスト10を発表した。2016年末時点で販売されているモデルを対象にした。最も燃費が良好だったのは、登録車ではトヨタ自動車「プリウス」、軽自動車ではスズキ「アルト」(マツダにモデル名「キャロル」でOEM供給)だった。
国土交通省は2017年3月29日、乗用車の燃費ランキングベスト10を発表した。2016年末時点で販売されているモデルを対象にした。最も燃費が良好だったのは、登録車ではトヨタ自動車「プリウス」、軽自動車ではスズキ「アルト」(マツダにモデル名「キャロル」でOEM供給)だった。
ランキングをみると、登録車ではベスト10全てがハイブリッド車だった。2位の日産自動車「ノート」はエンジンは発電のみに使用し、駆動力をモーターのみでまかなうシリーズ方式ハイブリッドだ。
9位のスズキ「ソリオ」はフルハイブリッドシステムを搭載したモデルだ。「ISG(モーター機能付き発電機)」と12Vのリチウムイオンバッテリーを搭載するS-エネチャージに、5速の自動マニュアル変速機(AMT)「オートギヤシフト(AGS)」、駆動用モーター兼発電機のモータージェネレーターユニット(MGU)、インバーターと100Vの駆動用リチウムイオンバッテリーを一体化したパワーパックを追加した構成となっている。
順位 | メーカー名 | モデル名 | JC08モード燃費値(単位:km/l) |
---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | プリウス | 40.8 |
2 | 日産自動車 | ノート | 37.2 |
3 | トヨタ自動車 | アクア | 37.0 |
4 | ホンダ | フィット | 36.4 |
5 | ホンダ | グレイス | 34.4 |
6 | ホンダ | シャトル | 34.0 |
7 | トヨタ自動車 | カローラ アクシオ | 33.8 |
7 | トヨタ自動車 | カローラ フィールダー | 33.8 |
9 | スズキ | ソリオ | 32.0 |
10 | ホンダ | アコード | 31.6 |
軽自動車では6位以下をハイブリッド車が占めている。いずれもスズキのモデルで、マイルドハイブリッドシステム「S-エネチャージ」を搭載している。2017年2月発表のワゴンRはマイルドハイブリッドシステムを進化させている。ISGの出力を向上するとともにリチウムイオンバッテリーの容量を増やしたことで、モーターでクリープ走行が可能になっている。
順位 | メーカー名 | モデル名 | JC08モード燃費値(単位:km/l) |
---|---|---|---|
1 | スズキ | アルト | 37.0 |
1 | マツダ | キャロル | 37.0 |
3 | スズキ | アルト ラパン | 35.6 |
4 | ダイハツ工業 | ミラ イース | 35.2 |
4 | トヨタ自動車 | ピクシス エポック | 35.2 |
6 | スズキ | ワゴンR | 33.0 |
6 | マツダ | フレア | 33.0 |
8 | スズキ | ハスラー | 32.0 |
8 | マツダ | フレア クロスオーバー | 32.0 |
8 | スズキ | スペーシア | 32.0 |
8 | マツダ | フレア ワゴン | 32.0 |
ハイブリッド車を除いたランキングには、輸入車も含むコンパクトカーが並んだ。小排気量のモデルが目立ち、2位のダイハツ工業「ブーン」(トヨタ自動車にモデル名「パッソ」でOEM供給)、フォルクスワーゲンの7位「up!」や8位「cross up!」は排気量が1.0l(リットル)、4位のフィアット「500/500C」は0.9lとなっている。その中でマツダの1位「デミオ」と9位「CX-3」は排気量1.5lで、ランクインした他のモデルと比較すると大きいが、これは良好な燃費を特徴とするクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」を搭載しているためだ。
順位 | メーカー名 | モデル名 | JC08モード燃費値(単位:km/l) |
---|---|---|---|
1 | マツダ | デミオ | 30.0 |
2 | ダイハツ工業 | ブーン | 28.0 |
2 | トヨタ自動車 | パッソ | 28.0 |
4 | フィアット | 500/500C | 26.6 |
5 | 日産自動車 | ノート | 26.2 |
6 | ホンダ | フィット | 26.0 |
7 | フォルクスワーゲン | up!1.0 55kW | 25.9 |
8 | フォルクスワーゲン | cross up! | 25.2 |
9 | マツダ | CX-3 | 25.0 |
9 | トヨタ自動車 | ヴィッツ | 25.0 |
2015年度の燃費基準の達成レベルは、燃費ランキングとは顔ぶれが入れ替わった。燃費基準値は車両重量に応じて設定されている。
登録車ではホンダ「オデッセイ」のハイブリッドモデルが25.4km/lで達成率が249%だった。軽自動車ではスズキ「アルト」(マツダにモデル名「キャロル」でOEM供給)が37.0km/lで達成率169%となっている。
登録車では車両重量1800〜2000kg超の重量級モデルがランクインした。1位から10位までいずれもハイブリッド車で、ハイブリッドシステムが重量増と燃費改善に影響した結果といえそうだ。一方、車体が軽い軽自動車は、達成率は152〜169%にとどまった。
国土交通省は、1993年から2015年にかけてのガソリン乗用車の平均燃費値の推移もまとめた。1998年までは12km/l以下で推移していた。
それまで前年比1km/l未満で改善を続けていたのに対し、2008年から2009年にかけては大幅に向上しており、14.8km/lから16.3km/lまで伸びた。
2011年以降は毎年、前年比1km/lの更新を続けていた。2014年から2015年にかけては0.1km/lではあるが平均燃費値が悪化した。原因としては、車両重量が軽く、相対的に燃費が良い車両区分の出荷比率が下がったことが考えられるとしている。
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