デンソーは、「CeBIT 2017」において、産業用ロボットなどの動きを高精細に検知できるエナジーフローセンサーを展示した。工場向けのIoTとして活用することで、故障予知などに役立てられるという。
デンソーは、国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)において、産業用ロボットなどの動きを高精細に検知できる「エナジーフローセンサー(Energy Flow Sensor)」を展示した。工場向けのIoT(モノのインターネット)として活用することで、故障予知などに役立てられるという。
同センサーは、デンソーの熱流センサー「RAFESPA(ラフェスパ)」がベースになっている(関連記事:木材の“暖かみ”や金属の“冷たさ”が分かる、デンソーの熱流センサー)。RAFESPAは、熱流センサーと比較して4倍以上の感度で面積当たりの熱量の大きさとして電流を測定でき、4MPaまでの高耐圧の加圧下で計測することも可能だ。薄く柔軟で、防水性もある。
エナジーフローセンサーは、このRAFESPAと薄いゴム板を組み合わせたものだ。ロボットなどの動きによってゴム板に力が加わると微小な熱が発生する。高い感度を持つRAFESPAはこの微小な熱を熱流として検知。熱流の変化から、nmレベルの微細な動きが分かるという仕組みだ。
展示デモでは、デンソーウェーブの6軸ロボットの基部にエナジーフローセンサーを挿入し、同センサーの検知結果からロボットの動きをリアルタイムでモニタリングできる様子を見せた。センサー1個だけでも動きのモニタリングは可能で、センサー2個の情報を使えば、ロボットの重心位置の変化も把握できる。
デンソーは、人と設備が共創する「Factory IoT」の構築を目指しているが、エナジーフローセンサーのようなセンサー技術も重要な役割を果たすとしている。
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