最優秀賞のHeartWeatherは「普段は目に見え難い現実の世界を直感的に伝える可視化ツール」(つくるラボ)だという。例えば、社員の会社に対する満足度など社員の感情を、「天気」という誰でも直感的に分かる現象で表現する装置である。同チームでは「この作品、プラットフォームを使えば、社員の満足度のみならず、株価や嫁の機嫌との連動はもちろん、各地の天気や思い出の日の天気を表現することもできる」としている。
作品の筐体はレーザーカッターでアクリル板を加工し、降雨機構は3Dプリンタで造形。モニターを筐体の後部に配置した。受賞理由については「人間の感情を天気という表現形態で表すことができるという点に着目したところを評価した」(中村氏)としている。
優秀賞のmooodはセンサーにより部屋の状況を測定しその雰囲気に適したコンテンツをサジェストすることでより優れた体験が可能な作品。ユーザーは、サジェストされたコンテンツの中から気になるものをクリックするだけで、参加者全員のスマートフォンでコンテンツを表示し、楽しむことができる。
この他、参加作品としては特定の音をあらかじめ読み込んでおき、ボタンをタップすることでその音を再生できる「サンプラー」、動物園で動物の場所を分かりやすく知らせる案内板、出先でも使えるスマートフォンなどによる家電自動操作システム、などの日常の小さなストレスを解決する便利な作品が製作された。さらに、よりニッチな領域を掘り下げる作品としては、女性のトイレが長い問題を解決すべく便座に嫌な振動を発生する「女子トイレタイムキーパー」、靴底の圧力センサーを用いることで、より精密な歩数の計測を行う靴に装着する「WoTデバイス」などがあり、会場を盛り上げた。
成果発表後の懇親会では総務省 情報通信国際戦略局 通信規格課長の中西悦子氏が「2017年度もこういう活動を続けていきたい。今回の結果だけでなく、次につながるように励んでもらえることを願っている」などと述べていた。
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