ワコムがペンでVR空間に描画できるコンセプトモデルを発表VRニュース

ワコムとWHITEは、ペンでVR空間に描画できるソフトウェアのコンセプトモデル「Ink Visualizer for VR」を共同で開発した。普通紙に手描き入力した文字や絵などをデジタルインクに変換して、VR空間で3次元のインクとして表現する。

» 2017年03月16日 10時00分 公開
[MONOist]

 ワコムとWHITEは2017年3月6日、ペンでバーチャルリアリティー(VR)空間に描画できるソフトウェアのコンセプトモデル「Ink Visualizer for VR」を共同で開発したと発表した。普通紙に手描き入力した文字や絵などをデジタルインクに変換し、VR空間で3次元のインクとして表現する。VR空間に描画したモノを見る/動かす際は、WHITE製のスマートフォン装着型VRゴーグル「MilboxTouch(みるボックスタッチ)」を使用して操作する。

 両社は、米国で開催中(会期は同年3月10〜19日)の「サウス・バイ・サウスウエスト2017(SXSW 2017)」で同製品を出展。参加者がワコム製ペンタブレット「Intuos Pro Paper Edition」を使用して、紙にペンで絵を描いて「オリジナル惑星」を作り、VR空間上に3次元画像として投影するデモンストレーションを公開している。

 参加者が紙でできた球体の展開図に「雲」などの絵を描くと、それが惑星をモチーフとしたVR空間にデザインされ、3DCGとしてVR空間上に浮かび上がる。MilboxTouchを使用してさまざまな視点から画像を眺めることができ、宇宙空間から人工衛星の視点で見ると、インクはボールに巻かれたカラーテープのように見える。また、惑星に降り立って上空に浮かぶ「雲」を見上げることもできる。作成したVR画像は、その場で発行されるQRコードを参加者が持ち帰り、自分のスマートフォンで再生できるシステムも開発した。

 Ink Visualizer for VRは、立体感を出すための奥行きのデータを筆圧の強弱によって取得。今回のデモンストレーションでは、惑星をモチーフにした球体の展開図を利用しているが、展開図の種類を変えることでさまざまな形を容易に作製することも可能だ。

 WHITEは筆跡データをVR空間上で再現するWebアプリケーションと、QRコードを使ってスマートフォンに作品を取り込むWebシステムを開発。また、「SXSW 2017」におけるデモンストレーションの企画プロデュースを担当し、出展ブースでは組み立て式のMilboxTouch500台の無料配布を行っている。

photo MilboxTouch側面の円形部分を触ることで内部にあるスマートフォンの操作が可能
photo Intuos Pro Paper Editionの描画専用用紙にデザインをする
photo 紙に描いた絵がVR空間上に浮かび上がる

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