STマイクロがMWCでコネクテッドカーの無線アップデート、イーサネット対応 : 車載半導体
STマイクロエレクトロニクスとコネクテッドカーサービスを手掛けるAirbiquityは、モバイル機器の展示会「Mobile World Congress 2017」において、自動車向けの無線ネットワークによるアップデートのデモンストレーションを実施した。
STマイクロエレクトロニクスとコネクテッドカーサービスを手掛けるAirbiquityは、モバイル機器の展示会「Mobile World Congress 2017」(2017年2月27日〜3月2日、バルセロナ)において、自動車向けの無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)のデモンストレーションを実施した。
STマイクロエレクトロニクスのテレマティクスシステム向けプロセッサ「Telemaco3」の評価ボードに、AirbiquityのOTAソフトウェアとデータマネジメント機能を組み合わせた。Telemaco3は、テレマティクスサービス向けに必要とされる1Gbpsと広帯域通信が可能なイーサネットと、高い処理性能を提供する。メインプロセッサであるのデュアルコアの「Cortex-A7」と、独立した「Cortex-M3」コアで専用のリアルタイムOSを動作させることでCANを制御できるという。また、メモリとCPUコアを柔軟に構成できるため、LinuxやPOSIXベースのOSのアプリケーションに対応するシステムを実現できるとしている。
AirbiquityのOTAソフトウェアとデータ管理機能は、複数のECUのソフトウェア更新や車両データの収集を効率的に実行できるようにしている。
Telemaco3を中核とするTelemacoファミリは、コネクテッドカー向けの豊富なアプリケーションをサポート、保護するという。STマイクロエレクトロニクスが注力する「Smart Driving技術」の中核と位置付けられており、処理性能の向上とハードウェアセキュリティモジュールの強化を特徴としている。テレマティクスシステムでの採用実績があることも利点だという。
ソフトウェアアップデートの管理機能が加わることで、サイバー攻撃からの防御やセキュリティの確保、車両の使用期間を通じたアップデートに貢献するとしている。
無線ネットワークによるソフトウェア更新、車載Linuxベースの車載情報機器で
ドイツの車載ソフトウェア開発会社、ATS Advanced Telematic Systemsは、「オートモーティブワールド2017」内の「第5回 コネクティッド・カーEXPO」において、無線ネットワークによるアップデートを車載Linux「Automotive Grade Linux」ベースの車載情報機器で行う様子を紹介した。
車載ソフトウェアのアップデートを実現するOTAと遠隔診断
車載ソフトウェアの規模増大と複雑化が進む中で、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)の実用化が求められている。同じく無線ネットワークを使った遠隔診断に対する要求も高まっている。これらOTAと遠隔診断を運用するには、セキュリティの枠組みが必要だ。
つながるクルマは、ECUとワイヤーハーネスが少なくなる?
Robert Boschは、自動車で無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)が可能になる「コネクテッドゲートウェイ」を2019年に製品化する。2023年以降には、コネクテッドゲートウェイにドメインコントローラーとしての機能も内蔵した「ビークルコンピュータ」を投入。演算処理能力はノートPCとそん色ない4万〜50万DMIPSを想定している。
自動車の情報セキュリティの“ものさし”を作る
自動運転技術やコネクテッドカーの登場により、自動車の情報セキュリティ=車載セキュリティ対策は急務になっている。国内の車載シフトウェア標準化団体・JasParで車載セキュリティ推進ワーキンググループ主査を務めるトヨタ自動車 電子プラットフォーム開発部長の橋本雅人氏に、国内外における車載セキュリティの取り組みについて聞いた。
ライダーもそろえるインフィニオン「完全自動運転車は半導体総額が5倍に」
インフィニオン テクノロジーズは、レベル3以上の自動運転システム向けに、センサーからセキュリティ対応の車載マイコンまで製品を幅広くそろえる。センサーに関しては、買収によりLiDARが加わった。ミリ波レーダーやカメラとのセンサーフュージョンも手掛けていく。セキュリティ対応では、セントラルゲートウェイを使った無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)も提案する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.