インテルは「データカンパニー」になれるのか、5Gモデムの成功がカギに組み込み開発ニュース(2/3 ページ)

» 2017年03月03日 10時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

これまでとは一味違う、5G向けモデムICの本気度

インテルの庄納崇氏 インテルの庄納崇氏

 「メモリ、FPGA、5G」のうち5Gについては、インテル 通信デバイス事業本部 グローバルワイヤレス営業本部 日本担当ディレクターの庄納崇氏が説明した。

 庄納氏は「2Gでは携帯電話通信がアナログからデジタルになり、3Gではマルチメディアに注目が集まり、4Gではモバイルブロードバンドとして大容量化した。そして5Gは、膨大な数のIoTデバイスをワイヤレスでインターネットにつなげるための技術という点が大きな変革になる」と語る。

携帯電話通信の進化 携帯電話通信の進化。5GではIoTデバイスの接続が焦点になる(クリックで拡大) 出典:インテル

 5Gは、4Gの1Gbpsに対して20Gbpsという高速化だけでなく、IoTデバイスとの接続に求められる低遅延や高信頼性を確保している。「例えば自動運転車であれば、車車間や路車間といったV2X通信、エッジコンピューティングの遅延低減、IoTデバイスの産業分野ごとに最適化されたコアネットワークなど、データの流れの広い範囲で5Gが関わってくる」(庄納氏)という。

自動運転車における5Gの重要性 自動運転車における5Gの重要性(クリックで拡大) 出典:インテル

 インテルはこれまで、携帯電話通信分野の内、基地局関連では広く製品が採用されてきたが、末端の通信機器に組む込むモデムICの事業については成功していると言い難い(関連記事:Intelモバイル撤退の真相――“ARMに敗北”よりも“異端児SoFIA”に原因か)。

 この状況を覆すため、2017年1月に「世界初」(同社)とする5G向けモデムICを発表した。2017年4〜6月にサンプル出荷を始める予定である。同年2月の「Mobile World Congress 2017」で、ハネウェル、GE、エリクソン、ノキアなどと5Gに関するパートナーシップを発表するなど、その本気度が見て取れる。

インテルが開発した5Gモデムの概要「Mobile World Congress 2017」で発表した5G関連のパートナーシップ インテルが開発した5Gモデムの概要(左)と「Mobile World Congress 2017」で発表した5G関連のパートナーシップ(右)(クリックで拡大) 出典:インテル

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