トヨタが本腰入れるつながるクルマ、第1弾は新型「プリウスPHV」車載情報機器(1/3 ページ)

トヨタ自動車は、プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」をフルモデルチェンジして発売した。「つながるクルマの第1号」(トヨタ自動車 Mid-size Vehicle Company MS製品企画 主査の金子將一氏)として車載通信機(DCM:データコミュニケーションモジュール)を標準搭載にしている。

» 2017年02月16日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
延期を経て発売にこぎ着けた「プリウスPHV」の新モデル 延期を経て発売にこぎ着けた「プリウスPHV」の新モデル(クリックして拡大)

 トヨタ自動車は2017年2月15日、プラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」をフルモデルチェンジして発売した。

 モーターのみで走行(EV走行)できる距離を旧モデルの26.4kmから68.2kmに拡大、またEV走行の最高速度は時速100kmから時速135kmとし、日々の通勤や買い物など近距離の移動では電気自動車(EV)として使えるようにした。エンジンの動力も使うハイブリッド走行では、JC08モード燃費が37.2km/l(リットル)で、中長距離の移動での環境性能も確保している。

 月間販売目標台数は2500台。税込みの車両価格はベースグレードの「S」で326万1600円から。

PHVは最も普及しやすいエコカー

トヨタ自動車の内山田竹志氏 トヨタ自動車の内山田竹志氏

 同社 取締役 会長の内山田竹志氏は、「燃料電池車が普通のクルマになるには時間がかかる。EVも自由に欲しいクルマを選べる段階まで、まだかかる。その点、PHVは最も普及しやすいエコカーだと考えている。次のエコカーの主流として、ハイブリッド車以上の普及を目指していく」と、PHVがハイブリッド車の次を担うエコカーであることを強調した。

 量産車では「世界初」(同社)となるソーラー充電システムはSグレードでのみメーカーオプションとして選択でき、オプション価格は消費税別で26万円となる(関連記事:新型「プリウスPHV」は太陽光発電能力が倍増、1日で5km走れる)。

 トヨタブランド初となる大画面11.6型のT-Connect SDナビゲーションシステムは、Sグレード「ナビパッケージ」(税込み車両価格366万円)以上のグレードで標準装備だ。

ソーラー充電システムは26万円のメーカーオプション ソーラー充電システムは26万円のメーカーオプション(クリックして拡大)

 新型プリウスPHVは、日常の移動はEVとして、中長距離のドライブはハイブリッド車として使えるようにすることで、ハイブリッド車の「プリウス」と差別化を図った(関連記事:新型「プリウスPHV」は先代の反省を生かす、「なるべくエンジンを使わない」)。

 日常の移動をEV走行でカバーするため、駆動用バッテリーは総電力容量を2倍に増やした。バッテリーの容量が拡大したことを生かして、ジェネレーター(発電機)で駆動力をアシストするデュアルモータードライブシステムも実現している。動力分割機構に一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを追加したことで、駆動用バッテリーの電力をジェネレーターにも供給して駆動力を発生させられるようになった。これにより、EV走行中の加速性能を向上させた。

新型プリウスPHVはバッテリーを大容量化(左)。また、発電用モーターを駆動にも使えるようにした(右)(クリックして拡大)
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