トヨタ自動車は、「スマートコミュニティ Japan 2016」において、2016年秋から日本国内で発売するプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」の新モデルを出展した。同モデルは走行に必要なエネルギーを太陽光発電でまかなえる世界初のシステムを搭載する。
トヨタ自動車は、「スマートコミュニティ Japan 2016」(2016年6月15〜17日、東京ビッグサイト)において、2016年秋から日本国内で発売するプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」の新モデルを出展した。
プリウスPHVの新モデルは、走行に必要なエネルギーをまかなうソーラー充電システムを「量産車として世界で初めて」(トヨタ自動車)採用する。日本と欧州向けでは搭載するが、北米向けには設定しない。「北米市場ではソーラー充電システムのニーズがない」(トヨタ自動車の説明員)のが理由だ。日欧でも標準搭載ではなくオプション装備として設定する予定だ。
ソーラー充電システムは、現時点で走行距離5km分の発電が可能だ。晴天で好条件な場所にプリウスPHVを1日置くと最高で5km、平均で2.7kmを走行できるという。
ソーラー充電システムで発電した電力は停車中は駆動用バッテリーに、走行中は始動用の12Vバッテリーに供給する構成だ。走行中に消費する12Vバッテリーの電力を太陽光発電で補い、駆動用バッテリーの電力消費を低減する。
ルーフに搭載した太陽光発電パネルの出力は180W。2009年発売の先代「プリウス」に搭載した太陽光発電システム「ソーラーベンチレーションシステム」と比較すると、太陽光発電パネルの出力は倍増したとしている。
太陽光発電パネルは、曲面のルーフに搭載可能で、軽量かつ出力増に対応できるものを専用で開発した。
各バッテリーへの電力供給は、DC-DCコンバータ―を内蔵したソーラーECUで管理する。太陽光発電で発電した電力は駆動用バッテリーや12Vバッテリーに直接供給せず、太陽光発電専用のバッテリーに一時的に貯めておく。太陽光発電専用バッテリーは、ニッケル水素電池とする。ソーラー充電システム搭載のプリウスPHVは、合計3つのバッテリーを搭載する形となる。
ソーラーベンチレーションシステムで発電した電力は車室内の換気にしか使用できなかったが、ソーラー充電システムは駆動用/始動用バッテリーの充電にまで適用範囲が拡大した格好だ。
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