棚に商品を置いたまま、商品情報が確認できるシステムの共同実験人工知能ニュース

NTTは、セブン&アイ・ホールディングスと共同で、スマートフォンで撮影した商品写真から情報を表示するシステムの実験を開始した。NTTのAI技術を活用することで、商品を手に取らなくても原材料やアレルゲン情報などの閲覧が可能になる。

» 2016年11月29日 08時00分 公開
[MONOist]

 NTTは2016年11月11日、セブン&アイ・ホールディングスと共同で、スマートフォンのカメラで撮影した店内商品の写真から、商品情報を表示するシステムの実験を開始した。実験は同年11月中旬から2017年1月下旬にかけて、東京都内の複数のセブン−イレブン店舗で実施される予定だ。

 システムの概要は、消費者が商品ラベル上の7&iロゴにスマートフォンのカメラをかざして撮影すると、その写真から商品名が正確に識別される。識別結果から、サーバ上にある当該商品情報(原材料や食物アレルギー情報など)のURLがスマートフォンに送信され、そこから商品情報を閲覧できるようになるというものだ。

 商品の認識・特定には、NTTのAI技術「corevo」の1つである「アングルフリー物体検索技術」を活用する。NTT研究所が開発した技術で、3次元の物体をどのような方向から撮影しても高精度に認識・検索し、関連情報を提示する。

 同実験では、NTTがCorevo技術を用いたアプリケーションの提供や実フィールドにおける技術サポートを行い、セブン&アイ・ホールディングスが店舗や被験者の手配、商品情報DBの提供などを担当する。

 消費者の健康や食の安全を守るためには商品情報の提示が重要だが、商品の情報は裏面に記載されていることが多い。また、情報を確認する際には、商品を手に取って細かい文字を読む不自由さや、衛生管理上の問題もある。さらに、2020年に向けて訪日外国人が増加すると想定され、日本語以外の言語による情報提示が重要となる。共同実験はこのような状況を背景として実施された。

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