秋を満喫しながら、タブレットPC「Surface」で3D CADをガチで使ってみた設計者の新しいワークスタイルを探れ!(1)(4/4 ページ)

» 2016年11月21日 10時00分 公開
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マウスがいらなくなる!? スタイラスの活用

 キーボードを切り離し、マウスを使用せずにSurfaceペンを使用して、3D CADの操作にトライしてみました。マウスのクリックの代わりにSurfaceペンでコマンドを選択したり、形状を選択したりしてみました。

 もちろん操作に慣れることが必要ですが、紙にペンでスケッチをしているような感覚でモデリングできました。3D CADの操作を行う場合、キーボードを利用するといっても、ほとんどが数値を入力することだと思います。数値入力する画面を小さく出しておき、作業することで効率よく作業ができました。

右手でペンを持ち、左側に数値入力画面を出して置き、必要に応じて数値を入力。ShiftキーやCtrlキー、Altキーなどを使用したい場合は右写真のようなキーボード表示にする(画面は、Autodesk Fusion360)。

 しかし、数値を入力するだけであればよいのですが、3D CADの場合、ShiftキーやCtrlキー、Altキーなどを使用することで複数選択ができたり、接線連続でエッジを選べたりなどの機能がある場合が多いので、その場合には、キーボードの種類を変える必要があり、そうすると画面が小さくなり、作業がしづらくなりました。

 今回、試したものは、全てタブレット専用の3D CADではないので、少し操作しづらい部分がありましたが、もう少し改良して、タブレットで操作しやすい工夫したものになれば、今後マウスで作業するよりも早く設計ができるようになるかもしれないと感じました。

 寸法などの数値も音声入力できるようにしていけば、より楽になりますし、形状をクリックすると必要なコマンドが表示され、ペンでドラッグするだけで形状が修正できるなどの機能が充実してくれば、設計者がより楽に設計の仕事ができるようになるのではと思います。外で実物を見ながら写生をするような感覚で3Dモデリングして設計するって時代もくるかもしれませんね。

ソフトとハードの発展によって、もたらされる、より楽しい幸せな社会へ

 今回、Surface BookとPro4で3D CADを使った設計作業にまつわる、いろいろな検証をしてみました。今回は紹介できませんでしたが、各社の3D CADが備えるモデリング機能を試したり、大規模アセンブリを動かしてみたりなどもしました。今後、機会があればその詳細も紹介したいと思います。

今回、紹介しきれなかった検証の一部画像

 今回、Surface BookとPro4を使用してみて、「小さく軽いノートPCでも、ある程度、十分に設計の作業ができる」と実感できました。

 もちろん設計内容によっては、パワーが足りないという場合も出てくるかとは思いますが、設計するものによっては十分に使えます。

 そして3D CADソフトもよりタブレットで使いやすいように改良されていけば、より簡単に、より楽しく設計ができるようになってくると思います。ソフトとハード、お互いの機能が発展していくことで、ますます設計者が設計に専念できる環境、よりリラックスして設計できる環境になることで、よりよいアイデア製品が生まれ、私たちの生活がよりよりものになっていけば、幸せですよね。


 今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。書き終わったところで、「食欲の秋」ですので、サンマを食べて一休みしたいと思います。

【おまけ】設計者のライフスタイル変革の瞬間

 思わぬ“緊急事態”の場合も、そこにPCが持ち込めれば一安心。

きれいに使いましょう!
狭い空間って結構よいかも、ウーン

設計者の新しいワークスタイル

 設計者の新しいワークスタイル
モノづくりに携わる設計者がデジタル設計ツールを利用するための周辺環境は大きく変革しつつあります。本特集ページでは、仮想環境やクラウド、ノートPC、スマートデバイスなどを活用した「設計者の新しいワークスタイル」につながるトレンドや技術動向について紹介します。


Profile

小原照記(おばら・てるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターの副センター長兼主任講師。3DCADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事をデジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。



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