“スマートアクセス”では、ゲートウェイキーを介さずにスマートフォンが鍵の役割を果たす。暗号化と偽造防止対策が施された仮想キーを受信したスマートフォンで、PASEと同様の機能を実現する。
仮想キーの配信は、コンチネンタルとベルギーのD'leterenの合弁会社、OTA keysが手掛ける仮想キー管理ソリューションを通じて行う。仮想キーはスマートフォンのSIMカードに保存され、必要なクルマのみに使用できるようアクセス権限が含まれている。
車両と仮想キーを持ったスマートフォンは、低消費電力のBluetooth Low Energyで接続する。会見当日は、Bluetooth Low Energyを受信するアンテナを装着したデモ車両を用い、スマートフォンの仮想キーでPASEの第5世代と同じ機能を実現する様子を公開した。
車両の半径2m以内にスマートフォンの仮想キーを持ったドライバーが進入すると、解錠などをスマートフォンで操作できる。
現時点では、Bluetooth Low Energyのアンテナを3つ以上装着することで、鍵を持ったドライバーの移動に合わせて解錠/施錠することが可能だとしている。
OTA keysの仮想キー管理ソリューションは、カーシェアやレンタカーで予約から乗車、課金までの手続きを行うシステムとしても開発が進められている。カーシェアの車両向けには、OBDコネクタに接続してCANデータを取得する通信モジュールも開発している。GPSで受信した位置情報や、燃料の残量、走行距離などをカーシェアユーザーが使う前に把握できるようにするもので、3G回線に接続して情報を送信する。
ヴォルフ氏は、クラシックな物理的な鍵がなくなるのかという質問に対し、絶滅はしないと答えた。「われわれは納車の時にクルマの鍵を受け取るのを喜ぶように、クルマと鍵の関連は深い。今後10年で新しい形の鍵が出てくるが、古い形も生き残り続ける。さまざまな形態の鍵があることで利便性が向上すると考えている」(同氏)と説明した。
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