より繊細に、より強力に、NEDOが次世代レーザー加工技術を開発へFAニュース(2/2 ページ)

» 2016年07月13日 08時00分 公開
[三島一孝MONOist]
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4つの研究開発テーマ

 具体的には今回のプロジェクトは、「高品位レーザー加工技術の開発」「高出力レーザーによる加工技術の開発」「次世代レーザーおよび加工の共通基盤技術開発」「次々世代加工に向けた新規光源・要素技術開発」の4つの研究テーマについて研究開発を進める。

高品位レーザー加工技術の開発

 「高品位レーザー加工技術の開発」については、赤外光から深紫外光への波長変換効率や耐高光入力特性に優れる光学結晶の高品質化・低コスト化技術および赤外域で発振するピコ秒パルスファイバーレーザーの高出力化技術を開発。これらを一体化することにより、素材の特性に合った高精度かつ高品位なレーザー加工を可能とする、短波長・短パルスレーザーの実用化を目指す。

高出力レーザーによる加工技術の開発

 「高出力レーザーによる加工技術の開発」については、高出力励起レーザーモジュール技術、固体光増幅器技術、高効率冷却技術を開発し、100ジュール(J)級の高いパルスエネルギーのレーザーを実現する。その出力を素材へ照射し表面が瞬時にプラズマ化することで生じる衝撃波を、従来の機械加工では生産性や再現性が期待できない表面改質(ピーニング)や成型(フォーミング)、表面クリーニングなどへ応用することを目指す。

次世代レーザーおよび加工の共通基盤技術開発

 「次世代レーザーおよび加工の共通基盤技術開発」については、レーザー加工現象を解明し素材の特性に合った高品位かつ効率的な加工を実現するため、発振パラメータを広範に制御可能なレーザー、加工状態を非破壊非接触でその場観察可能なセンシングシステムや、これらを組み込んだレーザー加工システムを先述した研究開発項目と連携して開発し、系統的な加工・評価を通じて得られる結果をデータベース化するレーザー加工プラットフォームを構築する。また、加工状態を高精度に予測するためのモデリングやシミュレーション、分析評価などの共通基盤技術を開発する。

 これらの3つの研究開発については、委託予定先を東京大学、三菱電機、大阪大学、スペクトロニクス、浜松ホトニクス、ギガフォトン、産業技術総合研究所とし、産学連携で体系的に開発を進めていくとしている。

次々世代加工に向けた新規光源・要素技術開発

 「次々世代加工に向けた新規光源・要素技術開発」については、将来のレーザー加工技術に資する新しいレーザー構造創出や波長域開拓に向けて、半導体レーザーダイオード技術をはじめとする光源基盤技術・周辺要素技術の開発を実施する。

 委託予定先については、「フォトニック結晶レーザーの短パルス化・短波長化」については京都大学とスタンレー電気、「高品質AlN結晶基板を用いた最短波長領域高出力深紫外LDの研究開発」については理化学研究所と山口大学、「高効率加工用GaN系高出力・高ビーム品質半導体レーザーの開発」についてはパナソニック、「高出力・高ビーム品質動作を可能とする新型面発光レーザーの研究開発」については東京工業大学と富士ゼロックス、「高効率・高出力量子ドットレーザーの研究開発」については東京大学と三菱電機、「革新的小型・高効率UVレーザー光源の開発」については金門光波と大阪大学、レーザー技術総合研究所が選ばれている。

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