マツダの構造改革は第2ステージへ、2018年度までの3年間で6車種を投入 : 製造マネジメントニュース (2/2 ページ)
構造改革プランの成果を受けて策定されたのが、2016〜2018年度の3カ年で進められる構造改革ステージ2だ。「質的成長とブランド価値向上のステージ」と位置付けており、最終年度となる2018年度の経営指標は、グローバル販売台数165万台、営業利益率7%以上、自己資本比率45%以上、配当性向20%以上となっている。
「構造改革ステージ2」の概要(クリックで拡大) 出典:マツダ
構造改革ステージ2の期間中には、派生車1車種を含む新型車6車種を市場投入する。2015年4月に発表した2014年度決算の際には「派生車1車種を含む新型車5車種」としていたので、1車種の発売が前倒しになったことになる。次期SKYACTIVといえる「SKYACTIV GEN2」も予定通り構造改革ステージ2で投入する。
「構造改革ステージ2」における商品と開発の方向性(クリックで拡大) 出典:マツダ
またグローバル販売台数165万台の生産は、既存向上の生産効率を最大化し、新たに工場を建設することなく実現する方針だ。拠点間の相互補完を可能にするグローバルスイング生産に加え、セダン/ワゴン/ハッチバックなどの海外名称が「Mazda」で始まる車両と、クロスオーバーSUVである「CXシリーズ」の生産フレキシビリティを拡大する。2018年度の生産キャパシティーとして、165万台のうち約半分をCXシリーズに充てられるようにする。
「構造改革ステージ2」におけるグローバル生産とコスト改善の方向性(クリックで拡大) 出典:マツダ
国内の主力生産拠点である宇品工場は、2016年度に新型車の生産準備の影響が出るものの、2017年度以降は稼働率が向上するとしている。この事実は、生産ラインに大きな変更が必要になるSKYACTIV GEN2搭載車の生産準備が2016年度に行われ、2017年度に市場投入されることを意味している可能性が高い。
「SKYACTIVエンジン」は電気自動車と同等のCO2排出量を目指す
好調なマツダを支える柱の1つ「SKYACTIVエンジン」。その開発を主導した同社常務執行役員の人見光夫氏が、サイバネットシステムの設立30周年記念イベントで講演。マツダが業績不振にあえぐ中での開発取り組みの他、今後のSKYACTIVエンジンの開発目標や、燃費規制に対する考え方などについて語った。その講演内容をほぼ全再録する。
マツダのSKYACTIVターボエンジンは“意味ある”過給ダウンサイジング
これまでガソリンエンジンの過給ダウンサイジングに否定的だったマツダが、2016年春に北米で発売する新型「CX-9」に、「SKYACTIV-G」で初となるターボエンジンを搭載する。マツダ 常務執行役員の人見光夫氏は「“意味ある”過給ダウンサイジングができる条件がそろったからだ」と理由を説明する。
次期「SKYACTIV」は2016年度以降に採用へ、電動化技術で燃費をさらに15%向上
マツダの好調さを支える大きな要因になっているのが、新世代技術「SKYACTIV」とデザインテーマ「魂動(こどう)−Soul of Motion」だろう。これらのうちSKYACTIVについては、さらに進化した「SKYACTIV GEN2」が2016年度以降に登場する見込みだ。電動化技術などを活用し、現行SKYACTIVよりも全社平均燃費をさらに15%高めることが目標になっている。
トヨタとマツダの提携を生んだ「クルマづくりの志」と「ふるさとへの思い」
トヨタ自動車とマツダは包括的な業務提携関係の構築に向けた覚書に調印した。会見に登壇した、トヨタ自動車社長の豊田章男氏とマツダ社長の小飼雅道氏は、具体的な提携内容には一切触れない一方で、「クルマづくりの志」と「ふるさとへの思い」といった両社の共通点を強調した。
「マツダ ロードスター」が世界最高のクルマに、SKYACTIVと魂動の成果が結実
マツダは、4代目となる「マツダ ロードスター」が、2016年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)」を受賞したと発表した。特別賞の1つである「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー(WCDOTY)」も日本車として初めて受賞。1車種によるWCOTY、WCDOTYのダブル受賞は、同賞設立以来初めて。
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