「初代iPhoneに匹敵するチャレンジ」として登場するシャープの「RoBoHoN」。一見するとロボットですが、ロボットではなく「ロボット型電話」であることが強調されています。「当然、そう(売れると)思っている」と言いますが、大きなチャレンジであることに違いはありません。
2015年のCEATECにて披露されたシャープのロボット電話「RoBoHoN」が正式発表されました。既に予約受付は開始されており、2016年5月には19万8000円(税別)にて販売開始されます。
製品の概要は上記でお伝えした通りですが、シャープとしてはRoBoHoNを「家庭用ロボット」ではなく「ロボット型電話」、つまりスマートフォンに代表されるパーソナルコミュニケーションツールであることを強調しています。その証拠に、RoBoHoNも“つながること”が前提である設計がなされています。
RoBoHoNには音声対話やアプリケーション追加などを行うためのクラウドサービス「ココロプラン」が用意されており、この契約は「必須」(同社)となるのです。似たルックスを持つ「Robi」はネットワークサービスなしの単体でも動きますが、RoBoHoNはクラウドに接続されていないと「何もできない」(同)のです。
コミュニケーションツールであれば何らかのネットワークサービスが欠かせないことは理解できますが、「ロボット型電話」と強調された後に「クラウド契約必須」と続けられるとなかなか腑に落ちませんでした。家電メーカーのシャープが「クラウドなしでは動かない電話を出してくることに違和感を覚えた」とも言い換えられるかと思います。
RoBoHoNの共同開発者であるロボットクリエーターの高橋智隆氏ですら、製品発表の席で「これまでコンセプトしか存在しなかった“ヒト型スマホ”を本当に発売してしまうことは、初代iPhoneに匹敵するチャレンジではないかと思う」と発言するほどです。思い切りや違和感など、さまざまな感情を背負った誕生であるといえます。
ただ、シャープを取り巻く環境を考えると、これぐらいのチャレンジは“しなくてはならない”のかとも思います。
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