VIAが開発した車載IoT端末は「AMOS-825タッチモニタシステム」と名付けられている。産業機器向けの産業用ファンレスPC「AMOS-820」をベースに、Wi-Fi/Bluetooth、GPS、CAN、3G(オプション)の通信インタフェース、7インチタッチパネルと接続可能なマルチ信号コネクタをユニットに組み込んだ。プロセッサはAMOS-820と同じく、NXP Semiconducotrsの「i.MX 6Quad」で、動作温度範囲は0〜60℃を確保した。
特に重視されたのが電源ユニットだ。エンジン動作中のみ得られるACC電源に加えて、エンジン停止中に鉛バッテリーからの電力でも動作できるよう、9〜36Vのワイド電圧対応を行った。またソフトウェア関連では、プラットフォームであるAndroidのカーネルを含めたカスタマイズも行った。
AMOS-825タッチモニタシステムで実現できているのは、カーナビゲーションと配車システムの統合、そしてMicrosoftの「Azure」を使ったクラウドとの連携である。車両外との通信は、車内に設置した携帯電話通信可能なルータとAMOS-825タッチモニタシステムのWi-Fiをつないで行う。山本氏は「ハードウェアコストは従来と比べて3分の1〜4分の1に抑えられた」としている。
なお、料金メーターは別途用意されており、システム統合していない。これは、料金メーターが計量法で定義されており、法的に他のシステムとの統合が許されていないからだ。
VIAと言えば、x86互換のプロセッサやチップセット、マザーボードなどPC向け製品が広く知られている。今回、JapanTaxiと共同開発した車載IoT端末は、同社ビジネスの今後の方向性を示すものになるという。
VIA 国際マーケティング担当副社長のRichard Brown(リチャード・ブラウン)氏は「当社は、組み込み機器向けAndroidやLinuxのハードウェアからソフトウェア開発までをカバーできる数少ない企業だ。IoTを活用したスマートカーの開発は激化しており、さまざまなプロタイプが公開されている。しかし実際に必要なのはグローバル供給できる技術だ。当社にはその力があり、JapanTaxiと共同開発した車載IoT端末はその証明だ」と述べている。
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