検査工程からの良品/不良品の情報と設備で加工している際の温度や湿度の製造条件の情報を複合して解析することにより、品質を確保する製造条件の傾向分析が可能になります。その条件の情報を定期的に品質情報データベースにフィードバックすることにより、次の製品設計、工程設計の改善につなげることが出来ます。
各工程での検査記録と製造条件の情報を見て、クレームが発生した際の要因解析と影響範囲のトレースが品質情報データベースと連携してデータ解析ができるようになります。品質保証部門でもその情報を活用することで、解析を迅速に行うことが可能となります
検査工程を自働化することで検査の精度向上と全品検査実施を実現することにより、後工程への不良を減らすことが可能になります。また、検査工程の検査データや設備からの製造条件の情報を複合的に収集し、良品、不良の数と製造条件を併せて分析することにより、品質確保の具体的な製造条件の把握が可能となります。
従って、製造条件が変更になっていく傾向値を見て、警告を通知することにより、不良発生を未然に防ぎ、製造条件の変更につなげることも可能になります。品質記録もデータとして蓄積することにより、クレーム発生時の要因や影響範囲の解析も品質保証部門で実施できるようになり、スピードアップにつながります。
以上で品質保証にIoTを活用する方法についての説明を終わります。次回は原価管理におけるIoTの活用手順について紹介します。
株式会社アムイ 代表取締役
山田 浩貢(やまだ ひろつぐ)
NTTデータ東海にて1990年代前半より製造業における生産管理パッケージシステムの企画開発・ユーザー適用および大手自動車部品メーカーを中心とした生産系業務改革、
原価企画・原価管理システム構築のプロジェクトマネージメントに従事。2013年に株式会社アムイを設立し大手から中堅中小製造業の業務改革、業務改善に伴うIT推進コンサルティングを手掛けている。「現場目線でのものづくり強化と経営効率向上にITを生かす」活動を展開中。
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