ヨーロッパでは成人の半数近くがメーカーから直接購入、直販チャネルが不可欠に製造マネジメントニュース

JDAソフトウェアは「Manufacturing Pulse Report 2016」を発表した。ヨーロッパでは成人の半数近くがメーカーから直接購入しており、メーカーには顧客の期待に応える直販チャネルが不可欠だとしている。

» 2016年01月22日 09時00分 公開
[MONOist]

 JDAソフトウェアは2015年12月2日、「Manufacturing Pulse Report 2016」を発表した。メーカーからの消費者の購入行動を中心に調査したもので、同年10月8〜15日にインターネット上で実施された。総サンプル数は計6146人で、内訳はイギリス2083人、ドイツ2025人、フランス1029人、スウェーデン1009人だ。

 調査結果によると、5分の2以上(42%)が過去12カ月間にメーカーから直接製品を購入していた。しかし、43%が希望する配送方法または集荷方法がなかったためにメーカーからの直接購入をやめたという。購入希望商品がメーカーで欠品していることに不満を覚えたという人も43%いた。

 一方、こうした問題がありながら、過去12カ月間にメーカーから直接購入した人のうち40%が、メーカー以外で購入した場合よりも良い購買経験ができたと回答している。

 購買行動に関しては、30%が5年前と比べてメーカーからの直接購入が増えたと回答。また、過去12カ月にメーカーから直接購入した人のうち、68%は店頭で、53%はオンラインで購入している。

 これらの結果から、顧客がメーカーのWebサイトから直接購入する余地はまだ十分に残されており、顧客が満足できる配送の仕組みや品ぞろえの充実が、メーカー側の必須課題だと分析している。

 また、過去12カ月にメーカーからインターネットで購入した人のうち、メーカーが顧客データを有効利用していると考える人は38%に過ぎなかった。さらに、32%の人が、過去12カ月間の自身の購入判断にネット上の口コミやソーシャルメディアが影響を与えたと回答している。

 直接購入する理由は、最も多かったのが価格(62%)で、以降は在庫があること(39%)、製品保証(32%)、製品の選択肢(31%)となっている。過去12カ月に直接購入した製品の種類は、家庭用家具(46%)、洋服・履物(35%)、家電(33%)で、その性別内訳は全ての国でおおむね、家庭用家具や洋服・履物は女性が男性より、家電は男性が女性よりも多いという結果となっている。

 その他、製品のパーソナル化については、過去12カ月間に、メーカーがパーソナル化した製品を手にしたのは9%だが、4分の1以上(28%)がパーソナル化されればメーカーから製品を購入する可能性が高くなると回答している。

 これらの結果を総合して、消費者の需要を満たすために、メーカーは利益に影響を及ぼす要因に最大の注意を払いながら、デジタル・サプライチェーンを構築する必要があるとまとめている。

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