フランスのPSAプジョー・シトロエングループは、欧州のNGO法人と協力して同グループの主要モデルの実燃費を計測し、2016年春までに公表すると発表した。市街地や高速道路で燃費を測定する。2017年春には欧州の排気ガス規制「EURO6.2」に準拠して公道での窒素酸化物の排出量を明らかにする。
フランスのPSAプジョー・シトロエングループ(以下、PSA)は2015年11月23日(欧州時間)、2016年春までにNGO法人と協力して同グループのモデルの実燃費を測定、公表すると発表した。さらに2017年春には、欧州の乗用車の排気ガス規制「EURO6.2」に準拠した窒素酸化物(NOx)の排出量も調査する。
実燃費の計測はPSAの主要モデルを対象とする。現実的な走行条件の下、パリの市街地や都市外部、高速道路を走行する。この実燃費の調査はPSAの品質管理プロセスに含むとしている。調査の実施や結果については国際的に承認された第三者機関で検証する計画。現在は、フランスのBureau Veritas(ビューローベリタス)で今回の実燃費測定の取り組みに関する議論が進められている。
PSAに協力するNGO法人は、欧州のTransport&Environmentだ。同法人はEU基準の環境団体で持続可能な交通政策を主張している。自動車に関しては健康への影響が軽微で持続可能な環境資源に基づく生産や開発を呼び掛けている。
PSAとTransport&Environmentは「この調査により信頼できる正確な結果を示すことができる」としている。社会や健康、環境にメリットのあるモデルを選ぶための判断材料を提供し、消費者の利益を守る方針だ。また、燃費改善での技術力のアピールにつなげる。
Volkswagen(フォルクスワーゲン)グループによる排気ガス不正によって、欧州では自動車メーカーが発表するカタログ燃費に対する不信が高まっている。そこでPSAでは、消費者利益のため燃費に関する情報を継続して更新できるように、NGO法人と第三者認証機関が関わる形での実燃費計測と、その公表を行う決断を下したとみられる。
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