撮影データをクラウドに高速転送する検診車向け医用画像転送サービスを開始:医療機器ニュース
日立メディコは、胃部や胸部のデジタルX線撮影システムを搭載した検診車を使用する健診施設向けに、日立製作所のM2Mシステムを利用した「検診車向け医用画像転送サービス」の提供を開始した。
日立メディコは2015年10月22日、胃部や胸部のデジタルX線撮影システムを搭載した検診車を使用する健診施設向けに、日立製作所(以下、日立)のM2Mシステムを利用した「検診車向け医用画像転送サービス」を日本国内で提供開始した。
同サービスは、日立が新規開発した独自の高速ファイル転送技術「Hitachi WAN Optimizer」を搭載したゲートウェイを活用。X線撮影システムで撮影したデータ容量の大きい医用画像を、携帯電話のモバイル通信網を通じて検診車からクラウドへ自動で高速転送し、健診施設で即座に利用できる。
従来、検診車で撮影したデジタルX線画像は、USBなどの外部メディアに保存し、健診施設でデータを読み込む必要があった。同サービスは、外部メディアを必要としないため、紛失による情報漏えいリスクを低減し、健診施設での医用画像の保管作業効率を向上できる。また、健診施設ですぐに読影を開始することが可能で、依頼元の企業・団体へ検診結果を早期に報告できるという。
ゲートウェイとクラウド間のモバイル通信網には、暗号化通信方式のIPsec通信を採用。大容量データを安定的かつ安全に日立のクラウドに送信し、その後、健診施設の事務所などへ転送する。検診車に設置したゲートウェイなどの通信機器には画像を保存しないため、通信機器の紛失による情報漏えいリスクも低減できる。
同サービスは、既存の検診車にもPCやゲートウェイなどを設置することで導入が可能。検診車とクラウド間のモバイル通信料を含むクラウドサービスは定額制のため、転送量にかかわらず定額で利用できる。
検診車向け医用画像転送サービスの概要
関連記事
カーナビに最適な空間検索を装備した「Entier」
組み込みデータベースカタログ第4回は、日立製作所の組み込みデータベースEntierを取り上げる。お話を伺ったのは、 ソフトウェア事業部 DB設計部主任技師の関芳治氏である。
ニッポンに圧勝したサムスンのグローバル戦略
日立、ソニー、松下を利益率で大きく引き離すサムスン電子。その躍進を支えた日本人エンジニアが明かす成功の秘訣とは?
メイドインジャパンの必勝パターンを読み解く
2012年4月からスタートした「小寺信良が見たモノづくりの現場」では、10カ所の工場を紹介した。今回から2回にわたり、この連載で得た「気付き」から、「ニッポンのモノづくりの強み」についてまとめる。
群雄割拠の車載Liイオン電池
ハイブリッド車や電気自動車など、電動システムを搭載する自動車の市場拡大に合わせて、新たな車載リチウムイオン電池の開発が加速している。本稿ではまず、車載リチウムイオン電池の開発/供給に関する業界動向をまとめる。その上で、国内電機メーカーが車載リチウムイオン電池の性能向上のために行っている取り組みを紹介する。
不況脱出のカギは“ユニーク&オリジナル企業”
ほぼ1年にわたってTOC記事を執筆してきた村上悟氏が、2008年秋から始まった米国発世界同時不況の原因を分析し、日本製造業はどうやってこの苦境を乗り越えたらよいか提言する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.