また、ブラッドショー氏は、昨今の設計にまつわる動きとして「ジェネレーティブデザイン」という用語を紹介した。同氏は、「最新ソフトでは、設計についての条件を入力するだけで、コンピュータが自動的に演算を行い、設計代替案を自動で作成することが可能」と説明。この手法をジェネレーティブデザインと呼ぶという。
ソフト自体が設計を行うからといって、人間の作業が不要になるわけではない。「コンピュータは“美観”までは判断することはできない。そういった判断や、微調整については人間の決定が必要だ」(ブラッドショー氏)。
同氏は、実際にこのジェネレーティブデザインの手法が使われた事例も紹介した。「ライトニングモーターサイクルが製作した世界最速(同氏解説)の電動バイクは、パーツの軽量化を行うべく、この手法を活用して製作された。これまでより有機的なデザインで、パーツの軽量化に成功した」。
この仕組みは、同社ソフト「Within」に組み込まれており、日本から購入することも可能だ。「Within」は、2015年10月23〜11月8日までの17日間、東京・表参道で開催される同社イベント「Pop-Up Gallery Tokyo」にて展示が行われる予定としている。
同講演プログラム内にてオートデスクは、3次元CAD「Autodesk Fusion 360」と設計プロジェクト向けコラボレーションサービス「Autodesk A360」の日本語化を発表した(関連記事:日本語対応した「Fusion 360」――未来のモノづくりプラットフォームに)。同イベントに登壇した、米オートデスク ワールドワイド・セールス・サービス担当 上級副社長のスティーブ・ブラム氏は「Fusion 360については、学生や教育機関、スタートアップ企業に対して無償提供も行っている。新しい設計、新しい設計方法、そして教育支援による新しいデザイナー育成にも力を入れ、業界の先頭に立って提案を行っていきたい」と目標を述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.