事故発生をスマホ1タップで保険会社に連絡、パイオニアのビーコンテレマティクス車載情報機器

パイオニアは、スマートフォンと自動車向けビーコン端末を活用したテレマティクスソリューション「クルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム」を開発。東京海上日動火災保険の新たな「事故時自動連絡支援サービス」に採用された。ビーコン端末を活用するテレマティクスは「自動車業界初」(パイオニア)だという。

» 2015年09月01日 06時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 パイオニアは2015年8月31日、スマートフォンと自動車向けビーコン端末を活用したテレマティクスソリューション「クルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム」を開発したと発表した。東京海上日動火災保険が同日発表した、ノンフリート(個人)自動車保険契約者向けの新たな「事故時自動連絡支援サービス」に採用された。ビーコン端末を活用するテレマティクスは「自動車業界で初めて」(パイオニア)だという。

パイオニアの「クルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム」のイメージ パイオニアの「クルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム」のイメージ(クリックで拡大) 出典:パイオニア
「クルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム」の標準ビーコン端末 「クルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム」の標準ビーコン端末(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 クルマ DE ビーコン サービスプラットフォームは、パイオニアが提供する自動車向けビーコン端末とドライバーが所有するスマートフォンを連携させることが前提になる。車両にこのビーコン端末を設置しておけば、乗車した際にドライバーのスマートフォンの専用アプリが起動。ドライバーの「乗車」「運転中」「降車」などの状況を認識してスマートフォンの専用アプリ経由で情報配信を行ったり、ビーコン端末のボタンを押すだけでコールセンターなどのあらかじめ登録したサービス事業者に連絡を取ったりといったサービスを利用できるようになる。

 「スマートフォンだけでは難しいとされていた『サービス提供者による最適なタイミングでの情報配信』や、『ドライバーとサービス提供者間での効率的で継続的なコミュニケーション』を実現できる」(パイオニア)という。

 さらに将来的には、クラウド上の地図データと連携させて、車両が走行しているエリアごとに安心・安全に関連するさまざまな情報を配信するサービスなども想定している。

東京海上日動火災保険が3万個限定でビーコン端末を提供

 今回クルマ DE ビーコン サービスプラットフォームを採用した東京海上日動火災保険の事故時自動連絡支援サービスでは、車内に設置したビーコン端末がドライバーの乗り降りを認識し、事故発生時にスマートフォンを1タップするだけで保険代理店や東京海上日動火災保険の事故受け付けコールセンター)に事故連絡することが可能だ。

 ここで言う「スマートフォンを1タップ」は2パターンある。1つは、事故発生時などにスマートフォンの加速度センサーが一定の衝撃を検知した場合。あらかじめ登録されている保険代理店などの「優先連絡先」をスマートフォン画面上に表示し、これを1タップするだけで事故連絡を行える。

 もう1つは、ビーコン端末の「緊急連絡ボタン」を押した場合だ。この場合でも、スマートフォン画面上に優先連絡先が表示されるので、これを1タップすれば連絡できる。

東京海上日動火災保険のビーコン端末を使った「事故時自動連絡支援サービス」 東京海上日動火災保険のビーコン端末を使った「事故時自動連絡支援サービス」(クリックで拡大) 出典:東京海上日動火災保険

 サービス開始は2015年12月の予定。その際には、東京海上日動火災保険オリジナルのビーコン端末を3万個限定で提供する予定だ。

東京海上日動火災保険オリジナルのビーコン端末(左)と設置位置 東京海上日動火災保険オリジナルのビーコン端末(左)と設置位置(クリックで拡大) 出典:東京海上日動火災保険

 事故時自動連絡支援サービスのビーコン端末は、外形寸法が横80×縦50×厚さ9mm。緊急連絡ボタンは中央部に設置されている。なお、このビーコン端末は、アプリックスIPホールディングスの「お届けビーコン」をベースに開発したもので、パイオニアのクルマ DE ビーコン サービスプラットフォーム向けにカスタマイズされている。

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