東洋紡は、生体情報計測ウェアに適した機能性素材「COCOMI(心美)」を開発したと発表した。生体情報計測のためのセンサー用電極・配線材に用いるフィルム状の機能性素材で、高い導電性を持ち、かつ伸縮性に優れている。
東洋紡は2015年8月11日、同社グループが生体情報計測ウェアに適した機能性素材「COCOMI(心美)」を開発したと発表した。
近年、ウェアラブル端末の市場が拡大する中、「着るタイプ」の生体情報計測ウェアが注目されている。しかし、センサー用電極・配線材として用いられる導電材料が伸縮性を持たないため、着心地に課題があった。
東洋紡は、電子材料用途の導電ペーストの技術を発展させ、伸縮性に優れた導電材料」を開発した。また同社は、曖昧な言葉で表現される人の感覚を機器によって数値化する感覚計測技術を保有しており、これらを組み合わせることで、生体情報計測ウェアに適した機能性素材COCOMIを生み出した。
COCOMIは、フィルム状の機能性素材で、着用者の生体情報を取得するために必要なセンサー用電極・配線材に用いる。厚さ約0.3mmと薄く、電極と配線材の接続部に段差を生じないこと、伸縮性に優れ、身体の動きに追随する(皮膚の最大伸び1.7倍を超える2.0倍まで伸びる)ことなどから、一般の衣服に近い自然な着心地を可能にした。また、熱圧着で生地に簡単に貼り付けでき、加工の自由度も高い。
同製品は今後、メディカル用途やスポーツウェアなどへの展開が考えられている。導電層の導電性が高いため、例えば心筋の微弱な電気信号を測定できるなど、より精度の高い生体情報の収集が可能になる。また、感覚計測技術を利用することで、電極の位置を最適化し、精度をより高められる。
さらに、東洋紡が持つ、人の心理・生理状態を機器測定を通して計測する「心理・生理計測技術」により、計測ウェアから収集された生体情報をもとに、人の心理状態や生理状態を把握することができる。そこからリラックス度合いの測定によるメンタルトレーニングや、眠気の検出による居眠り運転の防止などへの応用が期待されるとしている。
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