ファナックとPFNは、機械学習やディープラーニングを生かした工作機械の実現に向けて技術提携を行っているが、さらに資本提携に踏み込み具体化を進める。
ファナックとPreferred Networks(以下、PFN)は2015年8月21日、同年6月に発表した技術提携※)を一歩進め、資本提携を行うことを発表した。機械学習や深層学習(ディープラーニング)を生かし、工作機械やロボットなどの高度なインテリジェント化を目指す。
※)関連記事:“自律する工作機械”実現へ、ファナックが機械学習ベンチャーと提携
ドイツの「インダストリー4.0」など、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用した、次世代のモノづくりの姿が注目を集めている。ファナックとPFNでは、よりエッジ(機械側)に近い場所で大量のデータをリアルタイムかつインテリジェントに処理し、工作機械やロボットをコアとするモノづくりの現場における高度な自動化を目指す手段として、機械学習や深層学習を利用することで協業を決めた。そしてこのほど、その具体化に向け資本提携を行う。
資本提携は、PFNが第三者割当増資を行いその株式をファナックが引き受けることで実行する。ファナックからPFNへ9億円出資し、PFNは発行済株式総数の6.0%相当をファナックに引き渡す。出資時期は同年9月末の予定。「技術提携から一歩先に進んだ形だ」(同社広報部)としている。
PFNとの協業はファナックの業務全般において行われるとし、工作機械や産業用ロボットが「自分で学習し協調する」「自分で協調する方法を学習する」「自分で不具合を発見し補う」などの実現を目指す。さらにこの結果、「機械やロボットの高度に最適化された動作」「高度な予防保全」「止まらない工場」などの実現を追求していく。
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