政府主導で2015年5月に始動した「ロボット革命イニシアティブ協議会」において、IoTによる製造業革新の動きについて、企業間連携や国家間連携の基盤となる「IoTによる製造ビジネス変革WG」が始動した。事実上、ドイツ政府が進める「インダストリー4.0」などに対する日本側の受け皿となる。
安倍内閣の「日本再興戦略」の核となる「ロボット革命」を実現する戦略として、2015年1月に「ロボット新戦略※)」が発表された。同戦略における、ロボット革命とは、「センサー、AIなどの技術進歩により、従来はロボットと位置付けられてこなかったモノまでロボット化し(例えば、自動車、家電、携帯電話端末や住居までもがロボットとなる)、製造現場から日常生活のさまざまな場面でロボットが活用されることにより、社会課題の解決やモノづくり・サービスの国際競争力の強化を通じて、新たな付加価値を生み出し利便性と富をもたらす社会を実現する」ことだとされている。ロボット革命を実現するために取り組む柱となるのが、以下の3つのポイントとなる。
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このロボット新戦略で描いた取り組みをより現実的に進めていくために2015年5月に発足したのが、「ロボット革命イニシアティブ協議会」である。当初のロボット新戦略は「ロボットの利活用領域の拡大」と「次世代に向けた技術開発」の2つを主目的としていたが、ここ1〜2年の動きの中で、ドイツ連邦政府が主導するモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0※)」や、米国のインダストリアルインターネットコンソーシアムなど、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)などICT(情報通信技術)を基軸とした製造革新の動きが加速。これらの動きに日本政府として対抗する窓口として、IoTによる製造ビジネス変革をテーマとしたワーキンググループ(WG)を設立することを決めた。
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その第1回の会合が2015年7月15日に都内で開催された。
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