政府主導の“インダストリー4.0”対抗基盤「IoTによる製造ビジネス変革WG」が始動:スマートファクトリー(2/2 ページ)
ロボット革命イニシアティブ協議会の「IoTによる製造ビジネス変革WG」第1回会合には、三菱電機や日立製作所などの制御機器・ネットワーク機器のメーカーに加え、富士通やNECなどのITベンダー系、三菱重工業、川崎重工業、IHI、日立造船、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなどのユーザー系、商社、シンクタンクなど、幅広い製造関連企業77社が参加している。その他、15団体の各種団体・工業会と、大学教員などが参加した。
経済産業省 製造産業局 審議官の高田修三氏
あいさつに立った経済産業省 製造産業局 審議官の高田修三氏は「ドイツのインダストリー4.0や、米国のインダストリアルインターネットコンソーシアムなど世界の動きが加速する中、このWGが日本が遅れている領域を補い、さらに世界に対してリードしているところをさらに進められるような場としていきたい」と述べた。
同WGでは、世界的な動向を踏まえ、官民一体となった連携で、日本としての製造ビジネスにおけるIoTによる変革を目指していく。具体的に実施する取り組みとしては、以下の4点となる。
- IoTによる新たな製造ビジネスのモデルケース調査
- 標準化活動のベースとなるビジネスモデルの検討および参考情報の供与
- IoT活用メリットの調査
- ドイツ、米国など国際的な機関との協議を行うに当たっての対処方針策定
また、2015年6月に発足した「Industrial Value Chain Initiative(IVI)※)」と連携した取り組みを行うことも活動内容に盛り込まれている。
※)関連記事:「つながる工場」実現に向けた“日本連合”の土台へ、IVIが設立総会を開催
なお、第1回会合では、同WGの共同主査として、三菱電機 執行役員 FAシステム事業本部 副事業本部長の山本雅之氏と、日立製作所 電力・インフラシステムグループ 経営企画本部 事業開発渉外部 部長の水上潔氏が就任することも発表されている。
共同主査に就任した三菱電機 執行役員 FAシステム事業本部 副事業本部長の山本雅之氏(左)と、日立製作所 電力・インフラシステムグループ 経営企画本部 事業開発渉外部 部長の水上潔氏(右)
今後は月に1回のペースでワーキング活動を実施し、IoTによる製造ビジネス変革についてのコンセンサスの形成を図るとともに、国際的な論議への積極的な貢献を進めていく。
- 「ロボット新戦略」が生産現場にもたらす革新とは?
日本再興戦略の一環として策定された「ロボット新戦略」は、2015年5月15日に新設される「ロボット革命イニシアティブ協議会」により、実現に向けた活動に入ることになる。本稿ではロボット新戦略が生産現場に何をもたらし、どういう方向性になるのかを解説する。
- ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- インダストリー4.0が目指す“一段上”の自動化
ハノーバーメッセ2015のメインテーマとなった「インダストリー4.0」。製造業にとって魅力的なビジョンである一方で、具体的な姿をどう捉えるかで多くの企業が迷いを見せているのが現状だ。本連載では、現地での取材を通じて、インダストリー4.0に関する各社の動きを3回にわたってお伝えする。
- 三菱電機 名古屋製作所、FA機器快進撃の舞台裏
好調を持続する三菱電機のFA機器事業。その成長を支える主力事業所「名古屋製作所」では新たな生産棟を5月に本格稼働させる。分工場の生産性向上に向けた投資も加速させ、成長を「もう一段上に」加速させる方針だ。競争環境が厳しくなる中、成長を続ける秘訣は何があるのだろうか。名古屋製作所 所長の山本雅之氏に話を聞いた。
- テーマサイト「インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.