はんだゴテを手に、ポタアンを制作する電子工作“超”入門(7)(1/2 ページ)

この連載は簡単なポータブルアンプの製作を通じて、抵抗やコンデンサの読み方などを学び、電子回路に親しんでもらうのが目的です。今回はいよいよはんだゴテを手にしての制作に入ります。

» 2015年07月27日 07時00分 公開

 電子工作を通じて、「ハードウェアへの苦手意識」をなくそうという目的を掲げたこの連載、いよいよ理論から実践、PCやスマートフォンで音楽を大音量にして楽しめる「ポータブルアンプ」の制作をスタートします。はんだゴテを使ったことがない方は、練習と思って取り組んでみてください。

まずは工具をそろえよう

 実際のポータブルアンプ制作に当たって道具としては、

  • はんだゴテ(と、はんだ)
  • ニッパー
  • ラジオペンチ

 が、最低限必要になります。これらの道具は電子工作の「いろはのい」です。基本中の基本なので、必ずそろえてください。なお、使いやすさと価格はなぜか比例するので、(ある程度の)お金をかけるのは惜しまないようにしてください。

 ニッパーやラジオペンチは1000〜1500円くらいのもの、はんだゴテも同価格帯のものがよいですが、私が使っているのはもうちょっとだけ高価なHOZANの「H-600」(3000円前後)という速熱タイプのものです。ちょっと高くなりますが、コテ先の温度を変えられるので、素早くはんだ付けしたいときには重宝します。

最低限そろえたい工具

 なお、はんだゴテには「ワット数」があり、それぞれ用途が決まっています。電子工作に使うのであれば、30〜40Wの製品を選ぶようにしてください。電子工作用としては、はんだゴテの他、コテ先スタンド、はんだ、はんだ吸引線に加えて、トランジスタなどの熱に弱い部品を取り付ける際に使うヒートクリップなどがセットになっている商品もあります(太陽電機産業「goot 電子工作用はんだこてセット X-2000E」など)。このようなセットを選ぶのもよいかもしれません。

ヒートクリップはトランジスタやダイオードなど、熱に弱い部品を取り付けるときに便利

取り付けは背の低いものから順番に

 では実際に部品を取り付けていきましょう。今回取り付ける部品は以下の通りになります。

  • トランジスタ:2SD1590×2
  • 電解コンデンサ:470μF×3、47μF×2
  • フィルムコンデンサ:0.01μF×2
  • 抵抗:3.9KΩ×2、150Ω×2、51Ω×2
  • 入出力端子:ステレオミニジャック(基板取り付け用)×2
  • 電池ボックス×1

 なお今回セレクトした部品ですが、電解コンデンサは「ニチコン FineGoldシリーズ」という、オーディオ用のものを使うことにする他、セラミックコンデンサではなくフィルムコンデンサにしました。

 抵抗もオーディオ用の金属被膜抵抗「1/4W タクマン電子 REY25」を使います。この規模のポータブルアンプでこうしたオーディオ製品的な部品選択が、どの程度有効かは分かりませんが、気分的にも(?)高級感を求めたいのでオーディオ用を使ってみましょう。

 ちなみに普通の電解コンデンサが20円程度で購入できるのに対して、オーディオ用は1個50円から、抵抗も1本5円のものが30円になったりと数十円ですが高価になります。しかし部品点数が少ないですから、出費はそれほどの額にならないので使ってみましょう。もちろん普通の部品でも鳴らないということはないので、自由に選択してください。

 部品の概算は以下の通りです。部品代は880円(2015年7月上旬、筆者購入時)となりました。

部品名 部品数 単価(円) 小計(円) 購入店
トランジスタ2SD1590 2 50 100 秋月電子通商
電解コンデンサ16V 470μF 3 50 150 千石電商
電解コンデンサ16V 47μF 2 50 100 千石電商
フィルムコンデンサ0.01μF 2 40 80 千石電商
抵抗1/4W 3.9KΩ 2 30 60 千石電商
抵抗1/4W 150Ω 2 30 60 千石電商
抵抗1/4W 51Ω 2 30 60 千石電商
ステレオミニジャック 2 50 100 秋月電子通商
電池ボックス 1 50 50 秋月電子通商
汎用基板 サンハヤトICB-88 1 120 120 千石電商
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.