トヨタ自動車は、2011年6月に発売した「プリウスα」のリコールを国土交通省に提出した。リコール原因は、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアの不具合で、インバータの昇圧回路用素子が熱応力で損傷し、走行不能になるおそれがある。
トヨタ自動車は2015年7月15日、ハイブリッド車「プリウスα」とダイハツ工業にOEM供給している「メビウス」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは、プリウスαが2011年2月〜2014年11月に製造した34万1777台、メビウスが2013年4月〜2014年6月に製造した624台で、合計34万2401台。
リコール原因は、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアの不具合である。具体的には、二次電池パックからの直流電力を走行用モーターを動作させる交流電力に変換する電力変換装置(DC-ACインバータ)について、制御ソフトウェアの不具合によって昇圧回路用素子が熱応力で損傷することがある。このとき、警告灯が点灯してフェイルセーフのモーター走行となり、素子損傷時に電気ノイズが発生した場合にはハイブリッドシステムそのものが停止して、走行不能になるおそれがある。
市場での不具合発生件数は78件。市場からの情報で発見された。事故は発生していない。
改善措置は、リコール対象となる全車両で、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアを対策仕様に修正する。昇圧回路用素子が損傷して警告灯が点灯している場合には、インバータを無償交換する。
今回と同じ、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアの不具合によるリコールは、プリウスαのベース車であるプリウスでも2014年2月に発生している(関連記事:3代目「プリウス」がハイブリッドシステムの制御不具合でリコール、190万台が対象)。その際の対象台数は国内約100万台、海外約90万台だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.