製造業のデジタル化が加速している。さまざまな変化が進む中、モノづくりはどう変化していくだろうか。さまざまなシステムでモノづくりを支えてきたフランスDassault Systemesのエグゼクティブ バイスプレジデントでCSOであるモニカ・メンギニ氏に話を聞いた。
ICT(情報通信技術)の進化により、モノづくりの手法を抜本的に変える製造業革新の動きが加速している。ドイツでは、産官学のプロジェクトである「インダストリー4.0※)」がさまざまな活動を行い、注目を集めている他、米国ではGEなどが主導するインダストリアルインターネットコンソーシアムの取り組みが注目を集めている。またフランスでは「産業の未来(l’Industrie du Futur)」プロジェクトなどが進行している。
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このフランスの「産業の未来」プロジェクトの共同進行役を務めるのがフランスのDassault Systemes(以下、ダッソー)である。同社は、3次元CADをはじめとしPLM(Product Lifecycle Management)システム、そして3次元データを基軸にさらに幅広いビジネス基盤を支える「3Dエクスぺリエンス・プラットフォーム(3D Experience Platform)」を展開している。同社のエグゼクティブ バイスプレジデントでCSO(最高戦略責任者)のモニカ・メンギニ(Monica Menghini)氏に、現在の製造業を取り巻く環境の変化と、ダッソーの取り組みについて聞いた。
MONOist ドイツのインダストリー4.0など、世界中で製造革新の動きが広がりを見せています。これらの動きについてどう見ていますか。
メンギニ氏 ドイツではインダストリー4.0、フランスでは、産業の未来プロジェクトなど、製造業の今までの手法を抜本的に変える取り組みは世界各地で生まれている。これは、製造業のデジタル化(デジタライゼーション)が進んでいると言い換えることもできる。
製造業は、最終的に製品となる“モノ”を作るため、物理的な条件に多くの制約を受けてきた。また、それらの手法などを、デジタル化・データ化することは技術的な制約もあり、行われてこなかった。しかし、ICT(情報通信技術)、特にIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の進化などもあり、今までの製造業の取り組みの中で、デジタル化できなかった領域がデジタル化されるようになり、それがさまざまな製造業の革新の動きにつながってきている。
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