NTTデータは、NTTデータエンジニアリングシステムズ、JSOLなどと共同で、IoT技術を活用した3Dプリンタの保守メンテナンスサービスの実証実験を開始。2016年度に商用化する計画で、将来的には製造業のさまざまな製品の保守サービスとして展開していく方針だ。
NTTデータは2015年7月1日より、製造業向けのIoT(モノのインターネット)ビジネスの推進を目的とした新組織「製造ITイノベーション事業本部 ビジネス戦略推進室 IoTビジネス担当」を社内に設置。さらに同組織による取り組みの1つとして、NTTデータエンジニアリングシステムズ(NDES)、JSOLなどと共同で、IoT技術を活用した3Dプリンタの保守メンテナンスの高度化に向けた実証実験に取り組む。
近年、素早い試作の製作など、製造業における3Dプリンタの活用の幅は広がっている。そのため3Dプリンタを安定的に稼働させることは生産性の向上につながる重要な項目であり、それに伴い高効率かつ高精度な保守メンテナンスの重要度も増している。
今回の実証実験では、3Dプリンタを利用する製造業の協力のもと、3Dプリンタの保守メンテナンス業務にIoT技術を適用し、保守メンテナンス業務の高度化を目指す。具体的には3Dプリンタをネットワークに接続してセンシングとデータ分析を行い、劣化や摩耗状態のモニタリング、突然停止の予防、故障予知を行う。IoT技術を利用した保守サービスにより3Dプリンタの安定稼働をサポートすることで、生産現場のダウンタイム低減を目指す狙いだ(図1)。
既に3社は2015年1月に、IoTを活用した3Dプリンタの保守システムについて内部実証を行ってる。NTTデータが開発したコンセントレーター経由で数台の3Dプリンタを3G回線で接続し、NDESが保有するクラウドシステム上で機器の稼働状況を見える化。さらにJSOLの分析技術を利用して3Dプリンタの異常解析などを行った。こうした内部検証の結果、サービスとしての実用化のめどがたったという。そこで今回、実際の製造現場における実用性の検証を目的としたさらなる実証実験への取り組みを決めた。
今回の共同実証実験は2015年7〜12月をめどに進め、2016年度以降にサービスとして商用化することを目指す。なおこの実証で開発した技術は、3Dプリンタだけでなく保守メンテナンス業務を必要とする製造業の幅広いシーンへの適用を想定しており、製造業におけるさまざまな製品の保守メンテナンス業務に対して展開していく方針だ。
NTTデータグループでは、IoT関連サービス事業をグループ連結で2020年度までに累計100億円にまで拡大させる方針を示している。今回取り組むIoTを活用した保守メンテナンスサービスだけなく、顧客満足度の向上や販売機会の増加に貢献するものなど、さまざまなIoTサービスを展開していくとしている。
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