注目したいのは、身長の大きく異なるクォーターとツーオーが、ともにV-Sido OSで動いているということだ。V-Sido OSは、アスラテックのチーフロボットクリエイター・吉崎航氏が開発したロボット制御ソフトウェア。歩幅などのパラメータを調整するだけで、安定した2足歩行を実現できるのが特徴だ(関連記事:ソフトバンクのロボット事業、本命は「Pepper」ではなく「V-Sido OS」か)。
ロボットの大きさや構造の違いはV-Sido OS側が吸収してくれるため、ユーザーはハードやアプリの開発に注力することができる。今回展示された2体のロボットには、V-Sido OS搭載のマイコンボード「V-Sido CONNECT」が採用されているとのことだ(関連記事:ヒト型ロボットを簡単制御「V-Sido CONNECT」、先行版を販売開始)。
ツーオーの“1/20サイズ”、ということからも分かるように、Project J-deiteが最終的に目指しているのは“1/1サイズ”の実物大ロボットだ。これは身長5mにもなる巨大なものだが、その前段階として、まずは身長3.5mの「J-deite RIDE」を開発する。RIDEという名称が意味している通り、これは人間が実際に乗れるロボットになる。
当初発表されたロードマップでは、5mロボットの前はハーフサイズ(2.5)となっていたが、"無人"仕様から"有人"仕様に変えたことで、サイズが3.5mに大きくなったという。乗車定員は2名。人間を乗せたまま、ヒト型なら時速10km(2足歩行時)または時速30km(車輪走行時)、クルマ型なら時速60kmで移動できるようになる計画。
プロジェクトを主導するBRAVE ROBOTICSの石田賢司社長は、「まずは3.5mのロボットで、人間が乗れる変形ロボットの実現を目指すが、これは最初の一歩。将来的には、合体や飛行、そして宇宙まで考えている」と意気込む。
人間が搭乗できる巨大2足歩行ロボットは、坂本元氏が主導する「NKK4mロボットプロジェクト」の他、本誌のインタビューで、立命館大学の金岡克弥氏も開発する意向を表明している。巨大2足歩行ロボットの実現は、ロボットアニメで育った世代の壮大な夢である(あえて言い切ってしまおう)。競走が激しくなって開発が加速すれば面白くなりそうだ。
東京おもちゃショー2015は2015年6月18〜21日まで、東京ビッグサイトにて開催される。
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