製造プロセス品質の向上や、業務改善などに広く用いられているマネジメント手法に「PDCAサイクル」があります。これは継続的な業務改善をしていくための基本的な考え方であり、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)の4つのプロセスを順番に実施していくという手法です(図3)。
具体的に説明すると、まず管理事項の計画と目標設定(=P)を行います。次にこの内容を実行に移し(=D)、得られた結果を確認・評価して(=C)その中から不具合を見つけ出します(=A)。この不具合を改善する方法を当初の計画に反映させ、再び計画から実行へ……というように次のサイクルに入り、新たなPDCAサイクルを進めていきます。このようにスパイラル状に継続的に改善を図っていこうとするのがPDCAサイクルの考え方です。いわゆる一連の改善活動をそれぞれ、「Plan-Do-Check-Action(PDCA)」という観点から管理するフレームワークともいえます。
PDCAサイクルは、品質管理を構築したエドワーズ・デミング博士が、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的かつスムーズに進めるため、改善プロセスが連続的なフィードバック・ループとなるように提唱したものです。このため、デミング・サイクル(Deming cycle)とも呼ばれています。PDCAの各項目については、さまざまな人が各様に説明していますが、おおむね次のように解説されていますので、参考にして頂きたいと思います。
いずれにしても、継続的に高い業績を挙げ続けていくためには、PDCAサイクルによって業務管理をする必要があります。実施結果を正しく評価するために、目標は数値で捉えておきましょう。また、異常を把握しやすくするために、プロセスや作業方法を標準化しておくことが重要です。数値で表れていないもの(こと)や、標準の存在しない状況は「管理」されているとはいえないのです。
また、PDCAサイクルの中でも特に重要なステップは、“C(Check)”の捉え方です。この精査の程度によって飛躍的向上のスパイラルに乗り切れるかが決定づけられます。“C”を単に「確認」と捉えず、常に当初の計画を参照しながらこれを成し遂げる熱意を持ち続けることが重要です。
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