次に示す「改善のステップ」(図2)は、分析と改善のサイクルを回すための基本的なステップです。この際、最善の結果を生み出す良い作業システムに改善していくためには、個々の改善技法よりも、全体としてどのような考え方で進めるかという“志向”が大切です。“志向”とは、「実現しようとして、意識がいつも対象に向かっていること」を意味します。重要なことは、まず“志向”を決め、個々の考え方を、その“志向”に合致させることです。
全体的な戦略のミスは個々の戦術でカバーをすることはできません。個々の考え方、“思考”は、極めて属人的なものですから、本人の考え方、やる気、技能などによってそのパワーが決まってしまいますし、方向性もさまざまです。そのため、「改善のステップ」を自分のものにする前に、まず全体の方向性を示す“志向”を踏まえ、その上で個々の“思考”を持つことが、改善による成果を拡大する決め手となります。
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