まさに満を持して投入というデキなのです。
トヨタ自動車が2015年4月から、満を持して自動ブレーキをはじめとする運転支援システムの本格展開を始めます。
同社は2014年11月に予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を発表しています。Toyota Safety Senseには、小型車/大衆車向けの「Toyota Safety Sense C」と中型車/高級車向けの「Toyota Safety Sense P」があります(関連記事:トヨタが2015年から運転支援システムを一新、高速道路では自動運転も)。
この4月から展開が始まったのがToyota Safety Sense Cで、3月末に大幅改良を発表した「カローラ」(関連記事:大幅改良「カローラ」の燃費を向上した新開発エンジンは「TNGAではない」)から、排気量1.2l(リットル)のターボエンジンモデルを追加した「オーリス」(関連記事:「オーリス」が排気量1.2l直噴ターボ搭載、過給エンジンで熱効率トップクラス)にも採用しました。
Toyota Safety Sense Pも、2015年秋以降に国内発売する新型「レクサスRX」への採用が決定しています(関連記事:新型「レクサスRX」はハイブリッドもガソリンエンジンも最高出力は300馬力に)。
今回、Toyota Safety Sense Cを搭載するカローラが、JNCAPの「予防安全性能アセスメント」で最高クラスとなる「ASV+」を獲得しました。それも46点満点で。
2014年10月から導入された予防安全性能アセスメントですが、これまで満点を獲得しているのは、トヨタ自動車の「レクサスLS」や日産自動車の「スカイライン」といった高級車と、富士重工業のステレオカメラを使った運転支援システム「EyeSight(ver.3)」の搭載車「レヴォーグ」と「WRX S4」だけでした。
その満点を、カローラという大衆車+オプション価格5万4000円のToyota SafetySense Cで肩を並べたのです(関連記事:「カローラ」が予防安全性能評価で満点を獲得した意義)。
2015年に入るまでのトヨタ自動車の運転支援システムは、正直なところ、業界トップとしては価格も性能も中途半端だったと感じています。「クラウン」などの高級車向けには約10万円でミリ波レーダーを使った運転支援システムを提供していましたが、一番の売れ筋である、「パッソ」「ポルテ」「ヴィッツ」そして「アクア」といった小型車向けでは選択肢がなかったのです。
しかし今後、これらの車両にToyota Safety Sense Cが展開されていくことは確実です。トヨタ自動車のように、その市場で有力な企業が満を持して製品や技術を展開して市場を獲得して行く様は、よく「後出しジャンケン」に例えられますが、今回のToyota Safety Sense Cは、後出しジャンケンとしてのすごみがあります。
そのすごみを感じさせる例が、運転支援システムの機能の1つで、先行車や対向車の有無に合わせてヘッドランプのハイビームとロービームを自動で切り替える「AHB(Automatic High Beam)」です。
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