「接続機能を持つスマート製品」とは、「物理的要素」「“スマート”な構成要素」「接続機能」という3つの柱で成り立っている。
物理的要素とは機械部品と電気部品を指す。自動車でいえば、エンジンブロック、タイヤ、バッテリーなどが当てはまる。
“スマート”な要素とは、センサーやマイクロプロセッサー、データストレージ、制御装置、ソフトウェア、組み込みOS、ユーザーインタフェースなどを指す。自動車では、これはエンジンコントロールユニットやABS(アンチロックブレーキングシステム)、タッチパネルディスプレイなどが当てはまる。ソフトウェアの働き次第で性能に大きな差が生じる領域である。
接続機能とは、製品を有線または無線通信を介してインターネットに接続するためのポート、アンテナ、プロトコルを指す。接続形態には、「一対一」「一対多」「多対多」の3つの形態がある。高い機能性を実現するにはこれらの3つを全て接続可能とすることが必要だ(図1)。
接続機能には2つの要素が含まれている。1つは、製品やシステムとの情報交換を可能とすることであり、もう1つは製品の機能の一部を製品の外のクラウド環境に置けるということだ。これにより、接続および通信を基軸とした新しい技術の構成が必要になる。それを示したものが「新たなテクノロジースタック」だ(図2)。
スマート製品に対応するには、新しい製品ハードウェアや組み込みソフトウェア、接続機能、遠隔サーバ、稼働ソフトウェアを搭載した製品クラウド、セキュリティツール、ゲートウェイ、業務システムなどの統合機能から成り立つ。これらの幅広い技術を全て開発するのは非常に厳しい。そのため、ほとんどの企業が内製で全てを行うことはできなくなるだろう。
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