新型「アルト ターボRS」はスズキの軽スポーツ、ターボラグを20%抑制車両デザイン(2/2 ページ)

» 2015年03月12日 08時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
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最大トルクは95Nmから98Nmに向上

 軽自動車用エンジンである「R06A型」をベースにした吸気VVT(可変バルブ機構)ターボエンジンは、スズキの他車両にも採用されているが、高タンブル(縦渦)吸気ポートや高効率ターボチャージャなどを採用して、低中速域のトルクと最大トルクを向上した。最大出力は47kW(6000rpm)で他の車両と変わらないが、最大トルクは95Nmから98Nm(ともに3000rpm)に増えている。また、ターボエンジン車の応答性で課題となるターボラグも改善しており、従来比で約20%抑制した。


改良型の「R06A型」吸気VVTターボエンジン(左)と「オートギヤシフト」のイメージ(クリックで拡大) 出典:スズキ

 トランスミッションは、2014年後半から国内市場への導入を拡大している、5段変速の自動マニュアルトランスミッション「オートギヤシフト」を採用した。変速タイミングを早めて「気持ちの良いシフトフィール」(同社)にチューニングを施すとともに、スポーツドライビングを楽しめる5速マニュアルモードのパドルシフトを装備した。

 スポーツ走行に求められる剛性では、ストラットタワーバーや高剛性のフロントバンパーメンバーの装着をはじめカウルフロントパネルなどの板厚を厚くして、車体のねじり剛性を約5%向上した。車体後部では、スポット溶接を効果的に増し打ちして、操縦安定性と応答性の向上につなげている。

 さらに足回りにチューニングを施し、KYB製ショックアブソーバー、13インチベンチレーテッドディスクブレーキ(フロント)、15インチラジアルタイヤといったスポーツ走行を意識した専用装備も用意した。フロントシートも、スポーティーな走行時などに体をしっかり支えられるよう形状などを変更し、サポート性を向上させた専用品を採用している。

 スポーツ走行性能の一方で燃費性能を高めるためアイドリングストップシステムを採用した。ただし応答性を損なわないために、アルトなどに採用している時速13km以下に減速した際にエンジンを停止する「新アイドリングストップシステム」ではなく、停車時にエンジンを停止する「停車時アイドリングストップシステム」を搭載した。JC08モード燃費は、2WDモデルで25.6km/l(リットル)、4WDモデルで24.6km/lを実現しており、エコカー減税の「+10%達成車」にもなっている。

 またレーザーレーダーを用いた自動ブレーキ「レーダーブレーキサポート」などの運転支援システムも標準で装備した。

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