ホンダが全固体電池のパイロットラインを公開、2025年1月稼働電動化(1/2 ページ)

ホンダは本田技術研究所の栃木Sakura(栃木県さくら市)の敷地内に建設した全固体電池のパイロットラインを公開した。

» 2024年11月22日 09時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ホンダは2024年11月21日、本田技術研究所の栃木Sakura(栃木県さくら市)の敷地内に建設した全固体電池のパイロットラインを公開した。量産プロセスの確立に向けた技術検証と並行してバッテリーセルの基本仕様を決定し、2020年代後半に投入する電動車への搭載を目指す。

 パイロットラインの延べ床面積は2万7400m2で、2025年1月の操業開始を予定している。電極材の計量や混練、塗工、ロールプレス、セルの組み立て、化成、モジュール組み立てまでの各工程を検証できる設備を備えている。

パイロットラインの建屋(左)。全固体電池のサンプルセル(中央)。セルの組み立て設備(右)[クリックで拡大] 出所:ホンダ
ホンダの全固体電池の特徴(左)。量産コストを下げるための生産技術の取り組み(右)[クリックで拡大] 出所:ホンダ

全固体電池へのホンダの期待

 全固体電池は、高容量の材料を選択できることによる高エネルギー密度化や、電解液と比べて固体電解質の安定性が高く安全であることが特徴だ。これにより、ホンダは2020年代後半の時点で走行距離を2倍に伸ばすことを目指している。また、走行距離を液系リチウムイオン電池と同等とする場合、電池のサイズは半減、重量は35%低減、コストは25%低減できると見込む。

 さらに、全固体電池では電極材の選択肢の自由度が高まることも強みになるという。まずは2020年代後半までに硫化物系固体電解質の使いこなしに取り組む。その後、2040年代までに、使いこなし技術による電極材の選択肢の自由度を生かして地政学的な資源リスクのない電池技術を実現することを目指す。さらなる高容量化やコスト低減も図る。

全固体電池の狙いや期待[クリックで拡大] 出所:ホンダ
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