さて、実際の回路では回路図1〜回路図3のようなものはほとんど見かけません。下の回路図4のように、直列と並列それぞれが混ざり合って回路が構成されています。
こうした場合の抵抗値はどのように求めたらよいのでしょうか。ここで使うのが「キルヒホッフの法則」です。
電気回路の任意の節点において、流れ込む向きを正(または負)と統一するとき、各線の電流Iの総和は0となる。
電気回路に任意の閉路をとり電圧の向きを一方向に取ったとき、閉路に沿った各素子の電圧Viの総和は0である。
※ Wikipedia「キルヒホッフの法則 (電気回路)」より
ここで左側が第1法則、右側が第2法則です。電圧則のイメージが難しいと思いますが、電圧の向きを同一方向に取りますので、AB、BC間は抵抗により電位差が生まれ、それぞれマイナス方向の電圧となりますので、総和が0となるわけです。
さてそれでは先ほどの回路図に戻ります。Eaを3V、Ebを1.5V、計算を簡単にするためRaからRdを1Ωと考えた場合の電流IaとIbの値を考えていきましょう。
キルヒホッフの法則から、左の海路に流れる電流はそれぞれ、I=Ia+Ibとなります。左側の回路を見たときには、以下の式が成立します。
これにそれぞれ3V、1.5V、1Ωの値を代入すると、Ia=2A、Ib=1Aとなります。回路図を見ていく際にはこうした知識があると、より理解が深まるでしょう。
次回はコンデンサとインピーダンスについて見ていくことにします。
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