衛星測位にセンサー技術を融合、高精度な位置情報の取得に貢献する古野電気オートモーティブワールド2015 開催直前情報

古野電気は「オートモーティブワールド2015」で、新バージョンとなる車載対応のマルチGNSS(衛星測位システム)受信チップおよびモジュールと、新開発したマルチGNSS基準周波数発生機を日本で初公開する。

» 2015年01月09日 13時00分 公開
[MONOist]

 古野電気は、自動車技術の展示会「オートモーティブワールド2015」(2015年1月14〜16日、東京ビッグサイト)内の「第7回国際カーエレクトロニクス技術展」において、新バージョンとなる車載対応のマルチGNSS(衛星測位システム)受信チップおよびモジュールと、新開発したマルチGNSS基準周波数発生機を日本で初公開する。

 展示されるマルチGNSS受信チップは、米国のGPS(全地球測位システム)に加え、日本のQZSS(準天頂衛星システム)や欧州の衛星測位システム「GalileoE1B/E1C」に対応する「eRideOPUS6」と「eRideOPUS7」の2種類。これらのチップを用いた受信モジュール「GN-86」と「GN-87」も展示される。

「eRideOPUS 7」(写真=左)と「GN-87」(写真=右)出典:古野電気

 また、マルチGNSSとデッドレコニング(自律航法)を組み合わせることで、高層ビル街などの過酷な測位環境でも高精度な位置情報を提供できる受信モジュール「GV-87」も披露する。デッドレコニングとは、GPSやGNSSからの測位情報とジャイロセンサーや加速度センサーなどから取得した情報を合わせて演算処理を行うことで、高精度な測位を行う方法。GV-87は、従来のGPS受信機を用いたデッドレコニングで最大50mもの位置誤差が出る環境下で、位置精度2.5mを達成したという。

「GF-8701」の外観イメージ 出典:古野電気

 マルチGNSS基準周波数発生器は、2015年4月に発売予定の「GF-87シリーズ」を展示する。GPS、ロシアのGLONASS、QZSS、SBAS(静止衛星型衛星航法補強システム)の各種衛星測位システムに対応する新製品だ。GF-87シリーズは、TCXO(温度補償水晶発振器)搭載の「GF-8701」とOCXO(高精度水晶発振器)搭載の「GF-8702/8703」、同じくOCXOを搭載し低位相雑音とホールドオーバー状態に特化した「GF-8704/8705」の5種類がある。いずれも周波数10MHz、タイムパルス1PPSを出力する。

 設置寸法はGF-8701、GF-8702、GF-8703が34×27mm、GF-8704とGF-8705が100×52mmとなっている。サイズが同じ製品同士はピンコンパチブルかつ、同一の出力フォーマットでの載せ替えが可能だ。

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