第3位には、産業用オープンネットワーク「EtherCAT(イーサキャット)」を解説した「いまさら聞けない EtherCAT入門」が入っています。
第1位のインダストリー4.0やスマートファクトリーを実現する基盤の1つが製造現場でのネットワーク化ということになると思います。製造現場は従来、製造機器にひもづく形でソフトウェアやネットワーク、システムなどが構築されてきました。しかし、ベンダーを超えて、機器を超えて、連携するためには、標準化やオープン化が必須になります。そのオープンネットワーク技術として注目を集めているのがEtherCATというわけで、その注目度の通り多くの読者の関心を集めたようです。この「いまさら聞けない EtherCAT入門」や2位の「いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕」にも見られるように、2014年のランキングでは技術の基礎を解説記事が人気だったことも1つのトピックといえるかもしれません。
11位にはPLCのプログラミングの国際標準規格を解説した「IEC 61131-3の特長〔前編〕5つのプログラミング言語と変数」が入っていますし、13位には産業用PCの動向を紹介した「工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは〔前編〕」がランクインしています。また、18位と27位には、製造現場における画像処理の活用について解説した「画像処理とは?」「製造現場における画像処理【前編】」が入りました。環境の変化が激しい中、必要となる技術領域の変化も激しいものがあります。MONOistではいつでも皆さんに役立つ情報をお届けできるように、カギとなる技術の解説記事をさらに増やしていきたいと考えています。
それでは、ランキングトップ10を見てみましょう。
2013年のランキングで大きな比率を占めた制御システムセキュリティ関連の記事はトップ10には入っていないことに気付きます。ただ、実はこれらのトピックへの関心がなくなったというわけではありません。トップ10以下を見てみると、22位に「あなたの工場はこうやって襲われる! ――標的型攻撃の典型パターンとは?」、23位に「Windows XPサポート終了問題、移行しないとなぜ駄目なの?」、29位に「工場の安定稼働が人質に! なぜ今制御システムセキュリティを考えるべきなのか」が入っており、依然として高い関心があることが伺えます。
制御システムセキュリティへの関心は高いものの、さらにさまざまな関心事が増えたとみるべきでしょう。2014年は、次世代工場に向けた取り組みが具現化しつつあり、さまざまな新たな技術やトピックが浮上してきた1年だったといえます。2015年も新たな技術の発展と、FA関連企業の発展に期待したいと思います。
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