下腕から先を失った人が用いる義手の1種に、残された上腕の筋肉の動きを筋電センサーで検知し、義手の指を直感的に動かすことができる筋電義手というものがある。しかしその価格は150万円〜700万円と高価だ。「Maker Faire Tokyo 2014」に出展したベンチャー企業のexiiiは、10万円と安価な価格を目指す筋電義手「handiii」を展示した。
下腕から先を失った人が用いる義手の1種に、残された上腕の筋肉の動きを筋電センサーで検知し、義手の指を直感的に動かすことができる筋電義手というものがある。「Maker Faire Tokyo 2014」(2014年11月23〜24日、東京ビッグサイト)に出展したベンチャー企業のexiiiは、10万円と安価な販売価格を目指す筋電義手「handiii」の開発品を展示した。
exiiiによると、筋電義手の価格は150万円〜700万円と高価だ。日本国内で年間で約1400人の需要があるものの、その価格がネックになり、30人程度しか購入できていないという。
handiiiは、より多くの人に行き渡らせるべく、販売価格を10万円まで低減することを目指した筋電義手である。筋電センサーからの信号をスマートフォンに無線で送信して処理し、制御信号をフィードバックするとともに、モーターの数を指1本当たり1個に減らし、外装部品を3Dプリンタで製造するなどしてコストを削減。試作品の材料コストは約3万円に抑えることができた。

 「handiii」の試作品(左)と指の部分の外装部品(右)。この指の部分の外装部品は、多数の可動部があるが、設計にさまざまな工夫を凝らして1回の3Dプリントで製造できるようにしているという(クリックで拡大)
「handiii」の試作品(左)と指の部分の外装部品(右)。この指の部分の外装部品は、多数の可動部があるが、設計にさまざまな工夫を凝らして1回の3Dプリントで製造できるようにしているという(クリックで拡大)また外装部品は3Dプリンタで製造できるので、従来の筋電義手の課題であったデザインバリエーションの少なさを解決することも可能だ。
会場では、handiiiの開発に協力してきた森川氏が、実際に試作品を装着してその動作などをデモンストレーションしていた。
なお、exiiiは2014年11月22日から、handiiiの機能を実用レベルまで引き上げると同時に、開発協力者である森川氏とビュースノ氏の2人にhandiiiの完成品を使ってもらうプロジェクトについてのクラウドファンディングを開始している。
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