デンソーは、Volvo Cars(ボルボ)の新型パワートレイン「Drive-E」に、20MPaという高圧の噴射圧を実現したインジェクターやポンプ、エンジン制御用のECU(電子制御ユニット)などのエンジン制御システムが採用されたことを明らかにした。
デンソーは、2014年4月24日に発表した2013年度(2014年3月期)決算の説明資料の中で、Volvo Cars(ボルボ)の新型パワートレイン「Drive-E」に、20MPaという高圧の噴射圧を実現したインジェクターやポンプ、エンジン制御用のECU(電子制御ユニット)などのエンジン制御システムが採用されたことを明かした。
Drive-Eは、排気量2.0l(リットル)の直列4気筒直噴ターボガソリンエンジンと、8段変速の自動変速機(AT)から構成されている。セダンの「S60」、ステーションワゴンの「V60」、クロスオーバーSUVの「XC60」、それぞれの「T5モデル」に搭載して販売している。これまでボルボが採用していた、排気量1.6lの直列4気筒直噴ターボガソリンエンジンとデュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせたパワートレイン「DRIVe」と発音は同じ「ドライブ・イー」だが、中身は異なる。
デンソーは、直噴ガソリンエンジン用部品の売り上げ拡大に注力しており、2015年には2010年比で5倍以上に伸ばす計画を立てている。これまでに、日産自動車、ホンダ、マツダ、Ford Motor(フォード)、Renault(ルノー)などに採用されていた。
この他、トヨタ自動車向けで実績のあったハイブリッド車用インバータが、日産自動車とマツダに採用されたことも明らかにした。
マツダのハイブリッド車は、2013年11月に発売した「アクセラ ハイブリッド」だけだ。同車のハイブリッドシステムは、トヨタ自動車のラインセンスを受けて開発していることから、デンソーのインバータも併せて採用されたようだ。
一方、日産自動車のハイブリッド車といえば、「フーガ ハイブリッド」や新型「スカイライン」などのFRタイプのハイブリッドシステムが広く知られているが、インバータは自社生産である。
今回、デンソーのインバータが採用されたのは、新たに開発したFFタイプのハイブリッドシステム(関連記事:日産がFF車用ハイブリッドシステムを試作車に搭載、量産は北米市場で2013年から)を搭載し、2013年から米国市場で販売されているSUV「パスファインダー」のハイブリッドモデルとみられる。
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