トヨタ自動車の新型「ヴィッツ」は、主力の排気量1.3lエンジンモデルにおいて、最大熱効率38%を達成した新開発の「高熱効率・低燃費エンジン群」を採用するなどして、25.0km/lのJC08モード燃費を達成した。しかし、最大のライバルであるホンダ「フィット」の排気量1.3lエンジンモデルの26.0km/lを下回っている。
トヨタ自動車は2014年4月21日、小型車「ヴィッツ」に大幅な改良を施して発売した。主力の排気量1.3lエンジンモデルについては、最大熱効率38%を達成した新開発の「高熱効率・低燃費エンジン群」(関連記事:トヨタの新開発アトキンソンサイクルエンジン、「マツダやホンダより高性能」)を採用するなどして、JC08モード燃費は従来比で約15%向上となる25.0km/lを達成。排気量1.0lエンジンモデルも、新型「パッソ」に導入した高熱効率・低燃費エンジン群を搭載し、JC08モード燃費は24.0km/lとなった。また内外装のデザインを、「Lively」をテーマにスポーティーさと上質感を表現するなど一新した。税込み価格は、1.0lエンジンモデルが115万5600〜144万5237円、1.3lエンジンモデルが145万145〜180万6545円。販売目標台数は、排気量1.5lエンジンモデルを含めて8000台となっている。
新型ヴィッツの1.3lエンジンモデルのJC08モード燃費は25.0km/l。エコカー減税で「免税」対象車となっているものの、同じ排気量1.2〜1.3lクラスのエンジンを搭載する非ハイブリッドの競合車両を上回れていない。
競合車両のJC08モード燃費を挙げると、2011年6月発売のマツダの「デミオ」が25.0km/l、2012年9月発売の日産自動車の「ノート」が25.2km/l(関連記事:新型「ノート」は「フィット」キラーになるか、燃費は25.2km/lを達成)、2013年7月発売のスズキの「スイフト」が26.4km/l(関連記事:スズキが「デュアルジェット エンジン」を新開発、「スイフト」の燃費を2割向上)、2013年9月発売のホンダの「フィット」が26.0km/l(関連記事:新型「フィット」の1.3lエンジンモデル、燃費26.0km/lで日産「ノート」を上回る)となっている。
後発にもかかわらずJC08モード燃費を上回れなかったのは、停車と同時にエンジンを停止する従来モデルと同じアイドルストップシステムの影響が大きい。
高熱効率・低燃費エンジン群の排気量1.0lエンジンを採用した新型パッソの場合、アイドルストップシステムについて、時速9km以下に減速した段階からエンジンを停止する使用に変更するとともに、減速時のブレーキエネルギーを回生し鉛バッテリーに電力として充電する機能も追加していた(関連記事:トヨタが新型「パッソ」に自動ブレーキを搭載しない理由)。新型パッソと同じアイドルストップシステムを採用していれば、最大のライバルであるフィットの1.3lエンジンモデルのJC08モード燃費を上回ることができた可能性は高い。
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