矢野経済研究所はスマートフォン/タブレット端末市場に関する調査を実施し、市場規模の推移と今後の予測を発表した。2013年の世界市場におけるスマートフォンの出荷台数は10億8821万台で、タブレット端末は2億2090万台であった。
矢野経済研究所は2014年3月14日、世界のスマートフォン/タブレット端末市場に関する調査を実施し、市場規模の推移と今後の予測を発表した。
2013年、世界市場におけるスマートフォンの出荷台数は10億8821万台に達した。このうち400米ドル以上のハイエンド製品は4億4432万台、200〜399米ドルのミッドレンジ製品が3億7529万台、199米ドル以下のローエンド製品が2億6860万台であった。これまで先進国を中心に、ハイエンド製品が市場をけん引してきたが、ここに来て、新興国向けに開発されたローエンド製品が急速に出荷台数を伸ばしている。中でも、中国では「1000元スマホ」(1元=16円換算で約1万6000円)と呼ばれる低価格スマートフォンが台頭し、新興国メーカーの出荷台数が増加。そのうち数社は、グローバル市場でビジネス展開を行うほどにまで成長しているという。
2014年は伸び率が鈍化する見込みで、世界出荷台数は13億4188万台と予測。2013年の結果からも見てとれるように、今後は、アジア、中南米、アフリカといった新興国市場におけるローエンド製品が競争の中心となる見通しだ。特に「100米ドル未満の超低価格機への対応が重要になる」(同社)という。
2018年になると、世界出荷台数は21億7495万台に達する見通し。全体としては、ミッドレンジ製品が縮小し、ローエンドとハイエンド製品の2極化が進むと考えられる。
ディスプレイサイズ別に動向を見てみると、2013年は、4.1〜5.3インチ以下の“5インチクラス”が5億2216万台と最多。4.0インチ以下の“4インチクラス”が4億5718万台、5.4〜6.9インチ以下の“6インチクラス”が1億887万台となった。今後は、ディスプレイの大型化が進み、4インチクラスは減少し、5インチクラスが出荷台数を大きく伸ばすと予想される。なお、5インチクラスの中でも、片手で端末を操作できる5インチ前後のディスプレイを搭載したものと、低価格を実現した4.5インチ前後のディスプレイを搭載したものに大別される見込みだ。一方、6インチクラスはアジア市場を中心に、ファブレットの人気が高まっており、4K対応ディスプレイを搭載したハイエンド製品が存在感を増していくと考えられる。
タブレット端末の2013年世界出荷台数は、2億2090万台であった。ディスプレイサイズ別で見ると、7.0インチ以下の“7インチクラス”が8925万台と最多。7.1〜8.9インチ以下の“8インチクラス”が7805万台、9.0〜10.9インチ以下の“10インチクラス”が4910万台、11.0インチ以上の“11インチクラス”が450万台となった。
特に7インチクラスは、200米ドル以下の低価格タブレット端末が多数含まれ、出荷台数を大きく伸ばした。同様に、400米ドル前後の製品が集中する8インチクラスも堅調に出荷台数を増やした。対して、10インチクラス製品は、7、8インチクラスの製品の増加の影響を受け、前年実績を下回った。
2014年におけるタブレット端末の世界出荷台数は、3億290万台に達する見通し。引き続き、7、8インチクラスの製品が中心となる一方、10、11インチクラス以上の製品も、法人向けやモバイルPCの買い替え・買い増し需要を受け、出荷台数を伸ばすものと考えられる。
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