もはや自動運転レベル!? 進化を続けるクルーズコントロールシステムいまさら聞けない 電装部品入門(12)(2/4 ページ)

» 2014年02月27日 12時15分 公開

日本での評価が微妙なクルーズコントロールシステム

 文章で書くと操作を複雑に感じてしまうかもしれませんが、実際は極めて単純かつ便利なシステムです。

 使い慣れている人にとっては、オプション装備として車両価格に追加費用が必要だと言われても必ず注文したくなる。それほどの装備なのですが……。意外と人気がない、使われていない、不便だといった声があるのもクルーズコントロールシステムの特徴でしょう。

 まず大前提として、高速道路や、信号がない自動車専用道路を走行する機会が無い方には全く役に立たないシステムであるという事実があります。

 それもそのはず、信号がある一般道路上において、一定速度で巡航できる機会は限りなくまれです。どれだけ道路が空いていても、交差点への侵入や安全確認などのために無意識にブレーキペダルを踏んでしまうので、もしクルーズコントロールシステムを使っていたとしても頻繁に停止せざるを得ません。

 また、高速道路を多用している人であっても、普段使用している高速道路の交通量が多ければ、一定速度で巡航するクルーズコントロールシステムは使い物になりません。

 他にも、基本的に日本国内においては時速100km以上の速度で走行できる道路が存在しない(レース場や私有地を除く)ので建前上は問題ないのでしょうが、やはり巡航走行できる速度に上限が定められていることも敬遠されている要因の1つです。

 この部分についてはあえて深く言及はしませんが、不便を感じる方が多いみたいですね。

 次にレスポンスの面です。巡航走行している間に登り坂に入ると、走行抵抗の増加に伴って車速が低下します。すると、車両はセットされた車速まで自動で加速しますが、その加速方法が不自然であったり反応が遅かったりと、人間の感覚とのズレを感じることがあります。

 昔のクルーズコントロールシステムは、別途設けられたモーターとアクセルペダルをワイヤーで連結し、設定車速になるようにモーターによってアクセルペダルを遠隔操作し、巡航走行のための加速を行っていました。

 この構造の場合、車速にズレが生じた事実を捉えてから、モーターがアクセルペダルを操作し、さらにそのアクセルペダルと連結しているスロットルバルブの開度が変化します。

 それぞれの部品はワイヤーで連結されていますので、動力が伝わるまでに相応の時間がかかってしまいます。これがレスポンスの悪い要因となっていました。

 しかしDBWシステムが導入されてからは、車速のズレを捉えた時点で直接スロットルバルブを駆動できるようになり、レスポンス面の問題は大きく改善されました。


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