Audi(アウディ)は、2014年のFIA世界耐久選手権(WEC)の参戦車両である「R18 e-tron quattro」のヘッドランプのハイビームにレーザー光源を採用する。従来のLED光源と比べて、照射距離は2倍の500mに達し、明るさも3倍になるという。
Audi(アウディ)は、2014年のFIA世界耐久選手権(WEC)の参戦車両である「R18 e-tron quattro」のヘッドランプにレーザー光源を採用する。
WECには、24時間走行し続けるル・マンのように、夜間の走行が必要なレースもある。前方をより明るく照らし、ドライバーの的確な運転をサポートできるようなヘッドランプは、他の車両と差を付ける上で重要になってくる。
アウディはこれまでのWECの参戦車両に最新のヘッドランプ技術を搭載してきた。2006年の「R10 TDI」では、レースカーで初となるLEDデイタイムランニグライトを採用。R10 TDIの後継となる2009年デビューの「R15 TDI」には、ハイビームにLED光源を用いた。そして、2011年デビューとなる「R18 TDI」には、全ての光源にLEDを用いたヘッドランプを搭載した。2013年シーズンからは、量産車のフラッグシップモデルである「A8」の新モデルにも装備された「マトリックスLED」を適用していた。
今回採用するレーザー光源は、ヘッドランプのハイビームに採用される。ロービームは引き続きマトリックスLEDを使用する。レーザー光源のハイビームは、照射距離がLEDの2倍となる500mに達し、明るさもLEDの3倍あるという。
同社は、WECのレースカーによる夜間走行での実証実験を経た後、マトリックスLEDと同様に市販車に搭載する予定である。「2014 International CES」(2014年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)で公開したプラグインハイブリッド車のコンセプトカー「Sport quattro laserlight concept」は、ハイビームにレーザー光源を用いたヘッドランプを搭載していた。
レーザー光源を用いたヘッドランプは、2013年3月に電気自動車(EV)ベンチャーのSIM-Drive(シムドライブ)が発表した試作EVの第3号車「SIM-CEL(シム・セル)」にも搭載されている(関連記事:スタンレー電気がレーザー光源を用いたヘッドランプを開発、「SIM-CEL」に搭載)。
SIM-CELでは、ロービームの遠方照射用モジュールとして用いられた。LED光源だけのロービームと比べて、視認可能な距離が約1.5倍となる170mまで拡大できている。
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