村田製作所が“ハイブリッドリチウムイオン電池”を開発、超小型EVでお披露目オートモーティブワールド2014

村田製作所は、独自開発の高入出力リチウムイオン電池モジュールと異なるタイプの二次電池モジュールを併用する「高入出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュール」を新たに開発した。超小型電気自動車(EV)「ZieD α1」に搭載して、「オートモーティブワールド2014」に出展する。

» 2014年01月09日 14時30分 公開
[朴尚洙,MONOist]
村田製作所の「高入出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュール」

 村田製作所は2014年1月9日、独自開発の高入出力リチウムイオン電池モジュールと、異なるタイプの二次電池モジュールを併用する「高入出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュール」を新たに開発したと発表した。ベンチャー企業のジードが開発した超小型電気自動車(EV)の試作機「ZieD α1」に搭載し、自動車技術の展示会「オートモーティブワールド2014」(2014年1月15〜17日、東京ビッグサイト)内の「第6回国際カーエレクトロニクス技術展」に出展する予定だ。

 高入出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュールは、村田製作所が独自に開発した高入出力リチウムイオン電池モジュールと、大容量タイプのリチウムイオン電池やEVからのリユース電池、鉛バッテリーなどとの併用を可能にするバッテリー管理システム(BMS)を搭載する製品である。定置型蓄電池システムや超小型EVの電源システムなどにおいて、高速の充放電については高入出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュールが行い、それ以外の場面では異なるタイプの二次電池モジュールも併用するといった形で使用する。

左側の写真は、村田製作所が開発した「高入出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュール」。赤色の方が独自開発した高入出力リチウムイオン電池モジュールで、緑色の方が併用することになる異なるタイプの二次電池モジュールである(この写真では村田製作所が製造した大容量タイプのリチウムイオン電池モジュールを使用している)。右側の写真は、「第6回国際カーエレクトロニクス技術展」に出展する「ZieD α1」 出典:村田製作所

 独自開発の高入出力リチウムイオン電池モジュールの充電時間は短く、6分間で容量の約90%を充電できる。放電時も100Aまでの大電流を出力可能だ。常温環境下で充電と放電のサイクルを1日1回行った場合の期待寿命は10年としている。

 モジュール1個当たりの容量は130Wh(24V/5Ah)。外形寸法は、幅150×奥行き250×高さ150mmで、重量は3.5kgとなっている。例えば、5直列×2並列の電池パックを構成すれば、出力電圧は120V、容量は1.3kWhになる。なお、村田製作所が製造した一般的な大容量タイプのリチウムイオン電池モジュールは、同じ外形寸法で容量が240Wh(24V/10Ah)となっている。

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